出版社内容情報
偉大なる母 西太后、死す。
「この国は私が滅ぼす」。その悲壮な決意に、春児(チュンル)は、光緒帝は――。
圧倒的感動で描かれる、ひとつの歴史の終焉。中国歴史巨編、佳境!
「春児(チュンル)。春児。私は死ぬけれど、どうかこの国の行末をおまえの目で見定めておくれ。そしていつか、あの世で教えてほしい。陛下、この国はとうとう誰のものにもなりませんでした、ってね」民を愛し、たった1人で清朝を支えた太后の美しくも凄絶な最期。そして最後の皇帝が、玉座に登る――。
第42回吉川英治文学賞受賞
浅田 次郎[アサダ ジロウ]
著・文・その他
内容説明
偉大なる母、西太后、死す。「この国は私が滅ぼす」。その悲壮な決意に、春児は、光緒帝は―。圧倒的感動で描かれる、ひとつの歴史の終焉。中国歴史巨編、佳境。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で第十六回吉川英治文学新人賞を受賞。97年『鉄道員』で第百十七回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第十三回柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で第一回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
49
西太后の時代が描かれます。偉大なる清朝の母。ただ1人で国を支えていたというのが凄いと思いました。その最期は美しくも壮絶なものとして刺さらずにはいられません。2022/04/10
ヒデミン@もも
39
馬賊の活躍がすごい。私の記憶にある映画やドラマで植え付けられていた西太后のイメージとは違う。でも、これもありかも。真実は誰にもわからない。2023/09/15
はま
30
ハーさん本。シリーズ第二弾。今回はもうそこら中で泣ける。西太后の最期に絡むみんなが泣かす。相変わらずよく分からん袁世凱にさえ巻末付近では泣かされる。物語の主役の内の2人が逝って今後の展開が凄そうでドキドキしております。バックハウスと「西太后治下の中国」てどっちも実在するのね。ちょっと読んでみたい。2014/05/21
baba
27
龍玉を得た張作霖と龍玉を手にすることができなかった光緒帝と西太后との比が痛々しく遂にその時が来た。蒼穹の昴からずっと追ってきた人々の行く末、日本で暮らしている文秀の姿を読むと、若く輝いていた姿を思い浮かべ図らずも涙してしまった。さあ、次がラストです。2017/01/29
藤枝梅安
22
第二巻では西太后の苦悩を中心とし、実権を握るべく活動する袁世凱と張作霖との抗争の発端や、 日本に亡命した梁文秀のその後など、様々なエピソードを絡み合わせ、物語が進んでいく。 あたかも多くの小さな流れが一つずつ合流していきやがて大河となって海にそそぐかのようである。 西太后は列強に食い尽くされようとしている中国を救うための道を模索し、驚くべき決断をする。 それを支えるのは身を捨てて仕える宦官達であり、外国人記者の良心である。2010/02/09