内容説明
建築は魅力的な謎に満ちている。日本国内の各地にある興味深い建築、それも主として明治以降、第二次大戦前に建てられた、いわゆる近代建築を訪ねたルポルタージュ。
目次
関西に現代建築の雄 安藤忠雄を訪ねて
消え去りゆく女の城
近代建築の父 ジョサイア・コンドルの謎
西洋館が幽霊屋敷になるわけ
キリンの髭と黒羊 長崎建築紀行
鬼県令の見た夢は不思議な十四角館
ヴォーリズの名建築に泊まる夜
巨匠ライトとその弟子遠藤
祈りの島の小さな天主堂
北の商都で近代建築三昧
近代建築ブックガイド
建築探偵の舞台モデル紹介します
うるわしきアール・デコの館―東京都庭園美術館
廃屋からよみがえった白亜の別荘―旧青木周蔵邸
壮大なる絹の館―甲府塩山養蚕農家
消えたシルク王の謎とともに―ジム・トンプソンの運河沿いの家
幻想を誘う二重螺旋建築―イタリア・日本・ヴェトナム・フランス
著者等紹介
篠田真由美[シノダマユミ]
1953年、東京生まれ。近代建築、とくに日本における和洋折衷の様式に深い関心を持ち、1994年より「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズを講談社ノベルスより刊行、絢爛たる悪夢を内包する館を舞台にしたミステリを連作する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
41
作者と建築探偵が近大建築を訪ねる連載ルポ。何といっても最初の大山崎山荘がいい。個人的にも何度も訪れハーフティンバーの山荘風外観に魅せられたり上の喫茶でゆっくりしたり、併設の美術館(安藤忠雄設計)でモネの「睡蓮」をじっくりと鑑賞できる。行ってみたい所は旧小笠原伯爵邸(講談社第一別館)でパティオもあるスパニッシュスタイルがすばらしい。2012/12/27
かっぱ
26
【図書館】篠田さんのミステリー小説「建築探偵桜井京介」からの企画。いきなりの安藤忠雄(近代ならぬ現代建築)にはちょっと驚きましたが、全編楽しめました。遠いけど山形県の旧県立済生館病院は実物を見てみたい。巻末には近代建築ブックガイドが載っています。2014/10/17
那由多
13
シリーズの作中人物の桜井京介が解説という体で、著者の篠田真由美さんとその他で北は北海道、南は長崎まで近代建築を紹介するルポルタージュです。建築家にはできない遠慮のない率直な感想でルポ自体は面白いのだが、肝心の建築物の写真が2.3×3.5センチの白黒の小さなものばかりなのが不満。いちいちスマホ片手に画像検索しなきゃいけないのがもどかしい。建築家にまつわるエピソードも多くあり、高得点だっただけに写真が悔やまれる。2019/12/08
へへろ~本舗
6
折角の京介と作者が出演するのだから、建物の写真も贅沢にたくさん掲載すればよかったのに…とわがままな事を思った。2014/08/19
旅猫
5
近代建築に興味があったのと、館シリーズを読んでいたので。世の中が落ち着いたらまた建築巡りの旅に行きたい。それまでは、小説を再読して想像の建物に思いを巡らせるのも一興か。2022/04/17