内容説明
沖縄返還、全共闘バブルの功罪、そして教育改革から構造改革!戦後から55年体制の崩壊へ保守と革新、財政と消費、愛国主義とグローバリズム二項対立の時代に、あえて中途半端である勇気を持て!「月刊現代」巨弾連載完結。
目次
第6章 佐藤栄作―「待ちの政治家」という誤解
第7章 全共闘―若者の心をとらえたのは何か
第8章 日米経済摩擦―敵はソ連よりも日本
第9章 教育―不毛を生み出した教育改革
第10章 構造改革―失われた一〇年の原因と新たな活動
終章 五五年体制の崩壊と安全保障
著者等紹介
田原総一朗[タハラソウイチロウ]
1934年、滋賀県彦根市に生まれる。早稲田大学文学部を卒業。岩波映画社や現在のテレビ東京を経て、フリーのジャーナリストとして独立。政治・経済・メディア等時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まままま
2
下巻は、全共闘、日米経済摩擦、教育改革、構造改革、国際関係について記述がされています。 過去の政策がどのように立案され、議論され、潰されたのか。また、潰されていなかったらどうなっていたのか。潰したのは誰かという視点が新鮮でした。著者の考えを極力排し、当時の関係者からインタビューしたことを中心に据えている点にも感心させられます。また、世論やマスコミによって、政策決定が捻じ曲げられることの実例を知り、頼もしいと思う反面、世論やマスコミは将来展望が欠けているという点で、不条理だなぁと思いました。2017/09/18
telephone
1
割と公平な視点で書かれていると思う。もっと読まれてもよいのではとないか。2013/01/26
platoon
1
著者のスタイルのせいか話題になることはないが、よくまとめられた戦後政治史。2012/01/05
ホリエンテス
0
佐藤内閣の沖縄返還から小泉内閣までの戦後日本史。今思えば橋本龍太郎って省庁改革とか消費税アップとか日米貿易摩擦解消とか、まともな改革やってたんだな。本人のキャラクターで上手く伝わってないけども。2015/08/11
aki
0
ちょっと異論があるなあ。全共闘が若者の支持を集めてた、ということ自体が共同幻想にすぎんわ。特に地方では学生運動はファッションでしかなかった。全共闘世代のうさんくささは当時から感じていてね。戦後民主主義が吉本隆明のいう「擬制」であることは間違いないんだけど、その「擬制」を打ち倒すのに、それよりもっと古い「擬制」、つまりマルクス・レーニン主義を持ち出すなんてアホちゃうの、という感じ。マルクス・レーニン主義なんて、ジュラ紀か、中生代に流行った思想だよね。戦後民主主義より、よっぽど手垢にまみれてると思ってました。2020/11/07