講談社文芸文庫<br> 中原中也全訳詩集

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講談社文芸文庫
中原中也全訳詩集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784061960978
  • NDC分類 951
  • Cコード C0198

内容説明

早熟な詩才・中原中也が、死の直前に刊行した『ランボオ詩集』。唯一の全訳詩集として流布し、同時代を激しく揺るがせた。生前の3冊の訳詩集に未定稿を加え、全翻訳詩を収録。

目次

ランボオ詩集〈学校時代の詩〉
ランボオ詩集
未定稿

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
中原中也が翻訳した全ての詩を収録。「季節(とき)が流れる 城塞(おしろ)が見える 無疵な魂(もの)なぞ何処にあらう?」であまりにも有名な「幸福」始め、収録されているほとんどがランボーの詩で、訳者に与えた影響が垣間見えるなあ。思うに翻訳とは他国の料理を調理するのにも似ていて、他の人の作品でありながら訳者独自の味付けにもなっている。本書等は特にそれが顕著で、ランボーの詩でありながら同時に中也の詩にもなっている。言葉の選び方とかリズムとか。詩と同時に訳を楽しめるという、非常に贅沢な造りの一冊となっておりました。2020/12/26

優希

45
中原中也が翻訳した詩集になります。殆どがランボーの詩というのが気になりますが、中也に多大なる影響を与えたと考えれば納得がいきます。詩の数々から風景が見えるようでした。2023/12/16

coco.

9
中原中也が翻訳した西洋人の詩集。九割方ランボオの詩作。ランボオの翻訳には崇高な上田訳、不良を匂わせる小林訳など多数あるが、私の中では風景が浮かびやすい中也訳。但し『永遠』だけは、やはり小林訳に匹敵するものは無いと思うので甲乙付け難い。本篇には17歳にしか持てない感性で書き切った『物語』、ランボオにしては穏やかなカフェの一時『キャバレ・ヹールにて』。形式張った規律、既存の詩風から脱却を目指しているランボオには韻文よりも一気に捲し立てながら言い切る散文調の方が彼らしい。その方が激情的に届くから。2013/10/18

東京湾

6
「季節が流れる、城寨が見える、無疵な魂なぞ何処にあらう?」言わずと知れた天才詩人・中原中也による訳詩編。彼が最も影響を受けたランボーの作品を中心として、いずれも音韻を重視した軽快な訳詩となっている。豊かな情緒と絢爛たる言葉に彩られた詩世界に魅了された。また中也がいかにフランス詩に関心を寄せ、自身の詩作に吸収していったのか、その源流を探ると言う点でも一読に値する一冊だと思う。2020/01/17

かいこ

5
私は出掛けた、手をポケットに突っ込んで。 半外套は申し分なし。 私は歩いた、夜天のしたを、ミューズよ、私は忠僕でした。 さても私の夢みた愛の、なんと壮観だつたこと! 独特の、わがズボンには穴が開いていた。 ちいさな夢想家・私は道中韻をば捻つてた。 わが宿は、大熊星座。大熊星座の星々は、やさしくささやきささめいてゐた。 ー『わが放浪』p47より2017/08/09

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