出版社内容情報
教育現場をも蝕む、偽りの伝統「江戸しぐさ」。その成立と展開の過程を、偽史・偽書の専門家が徹底的に検討し、白日の下にさらす。「江戸しぐさ」とは、現実逃避から生まれた架空の伝統である
本書は、「江戸しぐさ」を徹底的に検証したものだ。「江戸しぐさ」は、そのネーミングとは裏腹に、一九八〇年代に芝三光という反骨の知識人によって生み出されたものである。そのため、そこで述べられるマナーは、実際の江戸時代の風俗からかけ離れたものとなっている。芝の没後に繰り広げられた越川禮子を中心とする普及活動、桐山勝の助力による「NPO法人設立」を経て、現在では教育現場で道徳教育の教材として用いられるまでになってしまった。しかし、「江戸しぐさ」は偽史であり、オカルトであり、現実逃避の産物として生み出されたものである。我々は、偽りを子供たちに教えないためにも、「江戸しぐさ」の正体を見極めねばならないのだ。
原田 実[ハラダ ミノル]
著・文・その他
内容説明
虚偽を教材に道徳を説けるのか?偽史・偽書の専門家による初の「江戸しぐさ」検証本。
目次
はじめに 「江戸しぐさ」を読み解く三つの視点
第1章 「江戸しぐさ」を概観する
第2章 検証「江戸しぐさ」―パラレルワールドの中の「江戸」
第3章 「江戸しぐさ」の展開―越川禮子と桐山勝
第4章 「江戸しぐさ」の誕生―創始者・芝三光と反骨の生涯
第5章 オカルトとしての「江戸しぐさ」―偽史が教育をむしばむ
第6章 「江戸しぐさ」教育を弾劾する―歴史教育、そして歴史学の敗北
おわりに 「江戸しぐさ」は最後の歴史捏造ではない
著者等紹介
原田実[ハラダミノル]
歴史研究家。1961年生まれ、広島市出身。龍谷大学卒。八幡書店勤務、昭和薬科大学助手を経て帰郷、執筆活動に入る。元市民の古代研究会代表。と学会会員。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)会員。日本でも数少ない偽史・偽書の専門家であり、偽書『東日流外三郡誌』事件に際しては、真書派から偽書派に転じ、以降徹底的な追及を行ったことで知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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