内容説明
探偵小説好きの「僕」はひょんなことから英語の先生の家で書生として暮らすことになった。先生は癇癪もちで、世間知らず。はた迷惑な癖もたくさんもっていて、その“変人”っぷりには正直うんざり。ただ、居候生活は刺激に満ち満ちている。この家には先生以上の“超変人”が集まり、そして奇妙奇天烈な事件が次々と舞い込んでくるのだから…。『吾輩は猫である』の物語世界がミステリーとしてよみがえる。抱腹絶倒の“日常の謎”連作集。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『黄金の灰』でデビュー。同年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞を受賞。09年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
127
いや、ちょっとなにこれ! こんなのが今まで読みたかったんだわと読んで気づく。タイトル的によくある似た感じとかもじった感じじゃないわね、まったく。ステキなrewrite✨ 一度、漱石先生に戻って読み直してから、もいちどこちらを読みます。そういう本よね、これは。「ジョーカーゲーム」の柳広司さんとおもって手に取ったら、いい意味で裏切られた‼️2023/05/07
ehirano1
96
表札を御飯粒で貼り付けた家(=先生の家)に泥棒が入ったという件には吹きました。先生の家はとりわけ貧しいわけではないので、なおさら笑えます。ちなみに、先生の家の屋根にはペンペン草が生えているそうです。もうちょっとなんとかしましょうよ、先生。2018/08/05
ehirano1
88
「其の五 落雲館大戦争」は最高に笑えます。とはいえ、「考えてもみたまえ、世の中の不平不満というやつは、自分の思うとおりに世間がいかないから起こるのだろう?つまり、世間に勝とうとして負けるから起きるんだ。それなら、はじめから世間に勝とうなんて思わなければいい。世間を変えなくたって、自分が変わりさえすれば、不平不満も起きっこないわけだ(p244~255)」、とキラリと光る一言も出てきます。2019/12/21
ehirano1
84
『吾輩は猫である』を「またぐらからのぞいてみた」のが本書であると。そこまでは読み切れませんでした。奥が深いです。2020/07/05
ベイマックス
78
かなり久しぶりの柳広司作品。やっぱり夏目漱石の『吾輩は猫である』読んでからの方が、面白かったかな。『吾輩は猫である』は何度か読み出したことあるけど、完読したことがなく…。でも、漱石作を読んでなくても、登場人物への背景は薄くなるかもしれないですが、謎解きとして面白く読めました。2021/05/13