出版社内容情報
浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師(木工職人)の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。どうやらある部屋に女の幽霊が出るせいで、誰も居つかないらしい。恐がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが……!? 痛快!傑作!江戸怪談ミステリ。
内容説明
浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて4つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが…!?
著者等紹介
輪渡颯介[ワタリソウスケ]
1972年、東京生まれ。明治大学卒。『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、講談社ノベルスよりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
64
作者お得意の一話々完結した物語が最後の話に集約されるという洒落た造りの怪談物。幽霊を見せる見せないのさじ加減がいい塩梅ではあるが、怪談としての怖さを求める読み手には不向きで、大袈裟に云うと、むしろ江戸の人情話といった趣かも、ただし狂言廻しの三五郎がうざいのはご愛嬌?2017/12/14
Richard Thornburg
21
感想:★★★★ 個人的には「浪人左門あやかし指南」シリーズ+「古道具屋 皆塵堂」÷2みたいな印象を受けました。 幽霊を全否定するわけではないし、どこかで否定してるような微妙な感じです。 幽霊騒ぎの原因を解明してみれば、何とも言えない、どこかほろ苦い後味の残る作品です。 一見何の関連性もない幽霊騒動が、ラストでうまくまとめられていて、とある謀略チックな企みでみんなが踊らされていた的なオチは好きです。 主人公格の人物はキャラが立っているし、登場するタイミングもキーとなる発言のタイミングもベストです。2018/07/11
小梅さん。
12
怖がりなのに、おばけにとことん関わることになった弦次。 笑っちゃ気の毒なんだけど、笑ってしまう。 でも、そのおばけ騒動は、なんだか切ない。 最後の最後のあれは、特にひどい。 あれで、成仏できていますように。 あいつのためじゃなく、おばけさんのためにそう思う。 愉快な三五郎や、おばけ運のない朔天さんにも、また会いたい。2018/10/21
へへろ~本舗
11
留守番わんこの十余一がちょっとしか出ないけどいいね。2018/07/13
蕭白
10
意外な結末にビックリでした。2022/07/28