出版社内容情報
京都の千本通りの側にある豪邸は、資産家の夫が愛妻のために建てたものだ。ある夜、行き倒れの男がやってきて、すべては狂いだす――。闇に蠢く影は、異形の者か人が生み出したものか。人間の本質を抉りだす恐怖譚。
内容説明
実業家が若き愛妻のために建てた邸宅。幸せの象徴のようなその家に、美男と地味な女といういびつな夫婦がやってきたことから、すべてが歪みはじめる。(「桜鬼」)。少年が決して近寄ってはならないと言われていた、禁断の部屋。そこでは、父と友人たちによる忌まわしい“遊戯”が行われていた…。(「鬼の子」)。夫により女として開花してゆく新妻。幸せの中、吹き抜けの玄関ホールにぶらさがって揺れている不気味な人形を見てしまう。(「鬼人形」)。闇に蠢く影は異形のものか人間が生み出したものか―。6つの恐怖譚。
著者等紹介
花房観音[ハナブサカンノン]
2010年「花祀り」で、第1回団鬼六賞大賞を受賞し、デビューする。バスガイドを務めながら小説を執筆している。女性の官能と繊細な心の動きを丁寧にすくいあげた作品は、世代を超えて読む者を魅了する。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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