内容説明
今、明かされる大呪術師トロガイの過去と“花”の夢。人の夢を必要とする異界の“花”が開花のときをむかえた。夢にとらわれた者を救おうとして、逆に魂を奪われ人鬼と化したタンダを女用心棒バルサはとりもどすことができるのか。路傍の石文学賞、巖谷小波文芸賞受賞。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
立教大学博士課程単位取得。専攻は文化人類学。オーストラリアのアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、川村学園女子大学准教授。著書に『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞)、『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)、『夢の守り人』(路傍の石文学賞)、『神の守り人「来訪編」「帰還編」』(小学館児童出版文化賞)、『孤笛のかなた』(野間児童文芸賞)などがある。2002年、巖谷小波文芸賞受賞
二木真希子[フタキマキコ]
愛知教育大学美術課程卒業後、テレコムアニメーションフィルムに入社。フリーを経て現在はスタジオジブリでアニメーションの原画を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
89
トロガイの過去の話が興味深かった。体を乗っ取られたタンダと戦わなければならなかったバルサの苦悩。久しぶりにバルサに会えたチャグムの喜び。チャグムは辛い立場だろうけど、成長していて良かった。これでシリーズ3冊目。あと7冊、まだまだ楽しめます。2014/11/07
みっこ
59
この巻で完全に守り人シリーズの虜に。子供の頃だったら、ファンタジーとして素直に楽しんだと思う。でも今は登場人物それぞれの思いに共鳴してしまい、読むのが辛かった。情けない話だけど、一ノ妃の気持ちがわかってしまう。それはもう痛いほどに。だからタンダが《傷つけられたとき、だれも恨まずにいられる人は、いないだろ。それは心のやさしさとは、また別のものだよ。》と言ってくれたことに救われました。ありがとう。あなたは本当に優しい人だ。とにかく気づきが多いトロガイの言葉。彼女の過去からその重みの意味を知る。⇒コメントへ続く2015/11/29
昼夜
45
私の夢の世界は自分の部屋で二次元の世界にどっぷり浸ることですね(苦笑)。生きるためにお金がかからなかったらいつまでもいたい優しい夢。チャグムとタンダの会話を聞いてたらもっと高尚な夢(どんなものかさっぱりわからないけど笑)を持たないとダメ人間なのかなぁとちょっとチクリときました。2016/12/15
ゆきちん
35
呪術師トロガイの過去と夢に囚われていく人たち。助けに行ったタンダも捕まって、トロガイやバルサが動く!今回はチャグムを始め懐かしのメンバーが。アクションシーンがカッコいい。バルサとタンダの結びつきの強さもキュンポイント。 今回は、誰もが夢に囚われる可能性ってあるよなぁと思いながら読みました。わかる気がするなぁって。やっぱり深いな、このシリーズ。2016/05/15
りさ
35
トロガイ師の過去と一の妃の悲しみ、そしてバルサのタンダへの想い。この本を女性に寄り添って読み終えました。とっても幻想的なお話だったなという印象。実際に上橋さんの夢からインスパイアされてできた物語と創作こぼれ話を読むにつけ、そんなとこまで幻想的。心地いい夢に逃げたいと思うことは多いけれど、生は夢の中にはない。現実を一歩また一歩と進んで、せっかくの生を大事にしていかなければならないなと感じさせてくれました。2014/01/26