出版社内容情報
【歴史地理/日本歴史】世界一の春画収集家である著者が、コレクションのなかから変わったもの、珍しいものを紹介する。政治、権力、宗教、罪、お金、美、女の性欲の強さなどを皮肉たっぷりに描いた春画を通して、人間の喜怒哀楽や当時の文化、風俗を読み解く。
内容説明
春画とは、社会的メッセージを伝えるために性的題材を扱ったアートである。
目次
第１章 コンプレックスを笑う
第２章 モラルをわらう
第３章 ほかの階級を嗤う
第４章 人を笑う
第５章 覗きを笑う
第６章 文化を笑う
第７章 宗教を嗤う
第８章 商売っ気をわらう
第９章 性欲を笑う
第１０章 シンボルをわらう
著者等紹介
シャガン，オフェル［シャガン，オフェル］ ［Ｓｈａｇａｎ，Ｏｆｅｒ］
イスラエル生まれ。古美術研究家。１９８９年に来日。以来、東南アジア、インド、モンゴル、バヌアツ、日本などの美術品のコレクションを多数持ち、東京やイスラエル、英国などの美術館に定期的に寄贈している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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遊々亭おさる
12
7300点に及ぶ春画をコレクションし、若かりし頃は時と場所を選ばずにやることがモットーだった著者が語る春画を通して見る真の江戸文化。白と黒、正と邪をはっきりと区分けしてかかるところにニッポンLOVEな外人さんでも、異文化理解は難しいのだなと…。ポルノと春画は似て否なるもので、ときに春画は道徳的であったり下層階級の権威に対する不満の捌け口としての機能があったというのが著者の持論。という理屈は抜きにして娯楽に乏しかった時代を生きた人々がエンターテイメントとして、ただ純粋に楽しんでいたような気もします。2015/08/21
たみ
12
３万点の描写を含む７３００品の春画コレクション（世界最大）をもつ著者が、笑い・ユーモアを強調した作品を選んだフルカラー本。他の本で見たことのある絵も複数見つけました、この方のコレクションだったのか～ふへぇ～。［コンプレックスを笑う］［モラルを笑う］［ほかの階級を嗤う］［人を笑う］［覗きを笑う］［文化を笑う］［宗教を嗤う］［商売っ気をわらう］［性欲を笑う］［シンボルをわらう］の全１０章。住環境等が今とはまったく異なる時代、「恥ずかしい！」と思うポイントも今とは違っていたそうな。当時の人と会って話してみたい。2015/06/01
クサバナリスト
8
春画とポルノは違う?!世間への風刺など、その描写したものは、これまで思っていたイメージと違うものも多くあり大変興味深い内容だった。2015/03/08
たろう
2
筆者の収集した様々な春画がカラーで載っていて楽しい本です。現代から文化の大きく異なる時代の風俗を解釈することは難しく、どうしても現代の価値観から判断してしまいます。筆者は、春画は今でいうポルノ商品ではなく、江戸時代は社会批判や性教育本、道徳指南書として捉えられていたのではないかとして、当時の道徳意識や価値観に沿って解説を進めています。それでも、時折筆者の現代的な価値判断からの解釈が見えたのは少々残念です。2015/01/07
getsuki
2
タイトル通り「笑う、あるいは嗤う」をキーワードに、春画とポルノとの違いから、春画に込められたメッセージとは？までを語り尽くす一冊。ついついツッコミたくなるあれやこれにここまでの意図が隠されていたのか、と発見が多くて面白かった。2014/10/26
