内容説明
時効の陰に隠れた被害者遺族の哀しみを描き、シリーズ最高作とされた「ありふれた殺人」、死んだ浅倉禄郎が登場しファンを喜ばせた「大統領の陰謀」、尼寺を舞台に人間存在の深刻なテーマに発展する大作「異形の寺」など、リアリティを追求する社会派ミステリの真骨頂を示すシリーズ第6弾。連続ドラマ第3シーズンの第9話~第18話を収録。
著者等紹介
輿水泰弘[コシミズヤスヒロ]
1960年生まれ。フリーのライターを経て脚本家デビュー
櫻井武晴[サクライタケハル]
1970年生まれ。東宝のプロデューサーとして映画を手がけた後、脚本家として独立
砂本量[スナモトハカル]
1958年生まれ。大映のプロデューサーなどを経て脚本家に。2005年逝去
東多江子[ヒガシタエコ]
1954年生まれ。フリーライターを経て脚本家に
岩下悠子[イワシタユウコ]
1974年生まれ。「砂の蝶」で第23回城戸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
96
このシリーズも結構単しく読ませてもらっています。テレビは見ないのでわかりませんが水谷さんの杉下右京というキャラクターが結構光っています。その相棒の寺脇も明るくていいですね。短編であるということで結末はある意味予測できますが、その経緯が読むポイントになります。刑事コロンボを思い出します。今回は「異形の寺」がいちおしでした。2021/05/21
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
55
ご存知の通りドラマのノベライズ。シリーズの中でも名作と言われる時効の陰に隠れた被害者遺族を描いた「ありふれた殺人」など。もう読んでいて脳内再生は水谷豊さんしかありませんね。(笑)★★★+
二分五厘
18
時効後に罪を告白するも、悔恨の情を見せなかった挙げ句殺された犯人『ありふれた殺人』それでも元犯人の正体を明かせない警察と、被害者遺族の癒えない悲しみが言い知れない余韻を残す。やはり被害者遺族の悲痛な叫びと身勝手な犯人だけどラストが心地好い『予告殺人』。警察組織の中で潰される個人の感情『警官殺し』大河内監察官の言葉がしみる「特命係はまるで奇跡です」。右京さんが古畑ばりに容疑者を追い詰めていく『殺しのピアノ』。あの阿部貴三郎や若杉栄一も再登場しているけど、やはり白眉は浅倉禄郎『大統領の陰謀』まだまだ乞再登場。2016/04/16
再び読書
17
読みながらドラマを思い出すのですが、実は本以上にドラマは表現が細かい場合も多い。良くできた本はドラマ以上に内容を理解出来るのだが、ノベライズのこれが限界なのかとも思う。調律をテーマした話や、時効を迎えた被害者家族の悲しみを重く感じる話や、テーマや掘り下げ方に感心させられる内容だった。2012/08/03
流之助
16
「薔薇と口紅」、「殺しのピアノ」がお気に入り。右京さんはピアノまで弾けちゃう!素敵すぎますね。じわじわと犯人を追い込んでいく冷徹なところも、趣味に関しては前のめりなところも、とても魅力的。小説ではやや物足りなさを感じますが、右京さんと薫ちゃんがしっかり脳内再生されるのでよしとします。相棒として円熟味をましてゆく好対照なふたり。イイネー。2015/06/06