出版社内容情報
沖縄に関して,日本人は醜い-.沖縄返還交渉の進むなか著者はこう断言し,憤りを冷徹な筆致におきかえ沖縄問題の原点を記した.知事としての経験をふまえ加筆した新版.
内容説明
沖縄に関して、日本人は醜い―。沖縄返還交渉の進むなか著者はあえてこう断言し、憤りを冷徹な筆致に置きかえて、明治期から沖縄戦、アメリカ軍政下にいたる沖縄と日本の関係を説き起こした。あれから30年、日本人は醜さから脱却できたのか。沖縄問題の原点を示した旧著に、沖縄県知事としての経験をふまえ加筆した新版。
目次
第1章 醜い日本人(日本にとって沖縄とは何か;歴史的な差別と偏見;無知とエゴイズム)
第2章 沖縄戦と核基知(沖縄戦における犠牲の意味;核基地―なぜ沖縄だけが;基地労働者の役割)
第3章 沖縄のアメリカ人(解放者から占領者へ;高等弁務官・人と政治)
第4章 醜さの根源(琉球処分の実相;沖縄の軍事基地化の発端;老獪な日本外交)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuo
5
書名の刺激が強いが、内容は明治以降の日沖米関係の精緻な分析。今の沖縄問題は、バスクの様な民族問題を遠近法として理解しないと理解できない。本書で、沖縄人にとっては、明治期から出版時(68年)に至るまで、日本の中央政府は、植民地の代理政府として沖縄を扱っていることが、具体的な例を挙げて、明示される。沖縄を考えることは日米関係(他国の軍事基地が国内にあり、費用負担している異常さ等)、日中関係(拡大する中国をどう扱うか等)等、世界の中の日本をどう考えるかという問題であり、それは我々自身が問われている問題である。 2015/12/05
コラッジョ
4
今の翁長雄志県知事並みに批判されていた、大田昌秀元知事による著作である。 今の翁長知事にも通じるのだが、元々大田元知事にしろ、今の翁長知事にしろ、”反米”ではなかった。 アメリカの傲慢で独善的な態度が彼らを反発へと追いやったのである。 そこを忘れてはならない。 大田元知事などは、優秀な学生という事で、奨学金付きでアメリカ本国に留学に送り出されている程の好意を与えられている。 しかし、それでも占領者のようにふんぞり返る在日米軍の姿を見て、黙っていられなくなったのだ。 これこそ”愛国”だと私は思う。2016/04/28
Arnold
3
本のタイトルが嫌でした。ところが、中身は新聞報道や公文書をベースにして客観的な事実を取り出し、著者が明快に解説しています。読んでて気持ちいいと感じることも。現下進行中の沖縄基地問題の根っこが知りたい人には必読書だと思います。現在の日本政府と霞が関が無意識に沖縄を差別しているとしたら、その背景と理由を皮膚感覚でとらえることができると思わせる、そんな著作です。明治、第二次大戦、米統治下に沖縄が味わった歴史と不条理を客観的、心情的に伺い知ることができる名著だと思います。2018/12/30
健康平和研究所
1
おじさんからもらったサイマル出版会の単行本で読んだ。復帰前の沖縄の状況が今の日本の状況に重なって見えた。日本は本当に独立しているのか?アメリカのいいなりを何時になったら、やめるのだろう。2023/06/17
りり課長
1
必読書である。2014/04/05