岩波現代文庫
丸山眞男を読む

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  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003197
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0110

内容説明

「近代主義者」「西欧主義者」「国民主義者」「進歩的文化人」など様々なレッテルを貼られつつ論じられてきた丸山眞男。われわれはこの思想家が遺したテクストをどう読めばよいのか。彼は何を問い、その問いといかに格闘したのか。これまでの通俗的な理解を排し、「現代に生きる」ラディカルな思索者として描き直す、スリリングな力作論考。『丸山眞男―日本近代における公と私』を改題し、一篇を増補した。

目次

第1章 思索と思想(混沌と形象;論点回避の丸山論;問題史としての思想史;「近代的主体」再考;「活動」の哲学―前節への補論;結論)
第2章 公と私の分岐(ファシズム研究;朱子学の解体過程;公と私の帰趨)
第3章 時間・歴史・社会(近代的精神;転向の時代体験;時間性と超越性)
第4章 政治的思考(ロマン主義的思考と政治;政治・非政治・過政治;公と私の政治学;政治空間の形成と民主主義)

著者等紹介

間宮陽介[マミヤヨウスケ]
1948年生まれ。東京大学経済学部卒。神奈川大学教授、京都大学教授を歴任し、京都大学名誉教授。経済思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ex libris 毒餃子

4
丸山の思想をしっかりと知っていなければ、読み解いていくのは難しい。2018/10/07

mutu-bird

1
丸山眞男を言ったことっでなく、丸山眞男が「言おうとしたこと」を読み解くがテーマの一冊だった。第3章が興味深かった。「転向」の読み方がキーか・・。そうすると既読の「平成転向論』の内容ももう一度読み直した方がいいかも。丸山眞男入門で読んだ。この先本番。2023/10/21

YN

1
話が常に流れるため、一度丸山を読んだ上でのぞむ必要あり。 公と私の話や民主主義(民主制)と自由主義の矛盾の話など面白い点多々あり。 昔の人は儒学や朱子学を当たり前のように、それこそ今の科学の様に、学んでたんだなぁ。 民主主義は、民主主義が抱える矛盾に対し、行為でもって、永続革命をしていく事で、民主主義たる、らしい。 デモとかの目に見えるものだけが行為ではない。 好きこそ、守りたいからこそ疑い続ける覚悟を。2015/11/10

Mercy

0
丸山眞男の『自己内対話』という丸山の死後公刊された省察ノートを丹念に引用しながら、丸山の「言ったこと」よりも「言わんとしたこと」に注目する、著者渾身の丸山論。なぜ徳川儒教思想において公私の別が喪失してしまったのか、福澤諭吉の個人主義にどのような卓見があるか、なぜ日本ではファシズムが等質化の作用をもってい(た)るのか。吉本や小林らの情緒的な難癖や、ポストモダン派の恨み節にくみしてはならない。本書を解毒剤として服用しながら、今後いかに日本の政治に公共性を賦活させるか、丸山のように体験にねざしてやってみよう。2020/11/27

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