出版社内容情報
邪馬台国等では,いったいどんな生活が営まれていたのだろう.魏志倭人伝の記事に,考古学的事実を照らし合わせ,情熱の考古学者が倭国の実態に迫る.完成に強い意志を持ちながらも病に倒れた著者の,最新にして最後の到達点.
内容説明
魏志倭人伝に記された邪馬台国などの国々…。そこでは一体どんな生活が営まれていたのだろうか。魏志倭人伝の記事に、考古学的事実を照らし合わせ、また、民俗学・人類学などの知見も織り交ぜながら、情熱の考古学者が卑弥呼の時代の暮らしに迫る。完成に強い意志をもちながらも病に倒れた著者の、最新にして最後の到達点。
目次
第1部 『三国志』と魏志倭人伝
第2部 倭人の風俗(魏志倭人伝の国ぐに;南、邪馬台国に至る;もぐり漁;いれずみ;髪と衣;稲;蚕と絹 ほか)
第3部 弥生の「国」の中心を歩く―吉野ヶ里
著者等紹介
佐原真[サハラマコト]
1932年、大阪生まれ。大阪外国語大学でドイツ語を学び、京都大学大学院で考古学を専攻。1964年から奈良国立文化財研究所に勤務、1993年国立歴史民俗博物館副館長、97‐2001年館長。2002年7月10日没
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感想・レビュー
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i-miya
29
2010.07.09 (おわりに)2002.06 (後記・春成秀爾) 2002.07.10 佐原真死亡。(訳文・小南一郎) 倭人(わびと)、帯方郡、倭、韓国、狗邪韓国、対馬国、かん海、一大(支)国、10.末盧国、伊都国、15.奴(ぬ)国、不弥国、投馬国、邪馬壱(台)国、朱崖(しゅがい)(海南島)、魏の京都(みやこ)、(第1部)『三国志』と魏志倭人伝。◎三国志。 14C半ば、『三国志演義』 陳寿『三国志』まとめる。演義は蜀の正当性を認める。2010/07/11
きょちょ
18
当時の人々の生活などを綴った本。 大昔故、1つのことにいろいろな説があり、どれが真実なのか判断しがたいのは致し方なし。 狩猟時代は戦争はなく、定住生活をするようになって戦争が始まったというのは興味深い。 卑弥呼に関しては、多くの人たちが「美人」だったと主張する(笑)。なぜ?? ★★★2023/04/08
かんがく
10
「魏志倭人伝」という文献に書かれた様々な物や文化を、考古学的研究の成果から読み解いていく歴史エッセイ的な読み物。著者がガンに侵されながら書いた遺作らしいが、そうは思えないほどに軽妙な語り口だった。2024/04/14
anchic
6
ともすれば捏造と見なされやすい古代の歴史について、確かな証拠から導いていく著者の教養の広さと鋭い考察力に好感が持てました。学問的などの領域に置いてもこのようなエビデンスを重視した研究者が増えて欲しいものです。2013/11/21
海辻
4
魏志倭人伝に記載されている卑弥呼(弥生)の時代の衣食住について、発掘された遺物や遺跡と照らし合わせて説明。 安直に邪馬台国の推定地を叫ぶような書ではなく、当時の倭人の生活を丁寧に解説している良書。 特に巻末に掲載されている魏志倭人伝の写文や、出典元一覧がお役立ちです。2012/02/17