出版社内容情報
「日本とは何か」が問われるとき,本居宣長が甦る.宣長畢生の大業『古事記伝』には日本をめぐる語りの原型がある.近代日本の「神」の言説を強く呪縛してきた『古事記伝』の自己神聖化の言説を解体する衝撃的読解.
内容説明
「日本とは何か」「日本人とは何か」が問われるとき、本居宣長が甦る。何ゆえに宣長は近代にたえず再生するのか。宣長畢生の大業『古事記伝』を徹底的に読み直した著者は、そこに日本をめぐる語りの原型があるからだと見る。近代日本の「神」の言説を強く呪縛してきた『古事記伝』の自己神聖化の言説を解体する衝撃的読解。
目次
序章 なぜ宣長か、なぜ『古事記伝』か
第1章 「始まり」の物語―『古事記伝』への道・一
第2章 『直毘霊』と「皇国」像の形成―『古事記伝』への道・二
第3章 美しき「口誦のエクリチュール」―『古事記伝』への道・三
第4章 天地の「初め」の物語―『古事記伝』の世界・一
第5章 神をめぐる言説―『古事記伝』の世界・二
第6章 新たな「神代の再・語り」―『古事記伝』以後
補章 「一神」と「多神」と―現代神道と「神の国」の再構成
著者等紹介
子安宣邦[コヤスノブクニ]
1933年川崎市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科(倫理学専攻)修了。大阪大学名誉教授。筑波女子大学国際学部教授。思想史・文化理論専攻
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感想・レビュー
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インチ気になる
8
本居宣長をもっとよく知るために、この著者のマルクス主義的な分析という思考方法という垣根を飛び越えられずに読んでいくことで更にやまとごころからは遠ざかっていく。著者はこの書の中で西洋思想についてはほとんど語らないだけに、無自覚に吸収してしまうその外国の思考方法について、自分がどれだけ読み取れたかというと自信がない。それは儒教思想を遠ざけることの難しさと並行して考えるべき課題なのだろうが、どちらかを優先させることは現在の情勢の見極めとの絡みで考えるという政治的な読みは、もう本居宣長の考えからも少しずれている。2026/07/23
NICK
3
新書版の方は読んだことあるので再読というべきか。宣長の皇国観は「異国とは違う」「神が産まれた国だから正しい」といった否定神学的な、またトートロジカルなものであった。しかし、この自己栄光化の言説が折口信夫を通して近代日本の神についての言説にも見られるという。自己(国家)の起源を探るようなアイデンティティを巡る言説は少なからずナショナリズムに接続される。宣長が『古事記』の再・語りによって神のもとに正当な皇國という世界観を提示したのだとすると、本居宣長という思想家は近代以前に近代的なナショナリストなのかもしれな2012/11/12
はちめ
2
この著者の本はなかなか読みにくいのだが本書は珍しく読み進んでいけたが、途中から頭に入らなくなった。どうも平田篤胤的な解釈が感じられ、本居宣長自身の思想をを一神教的に読むというのはいかがなものだろうか。本来は古事記伝を解釈した著作であったのだろうが結局は本居宣長の社会思想史になってしまっていると思う。2017/04/18
三県・境三
1
記紀(上代)→神道(中世)→宣長(近世)→日本への自己言及(近代)という流れを意識させられた。宣長はなぜ近代において繰り返し再生するのか?という問い。2013/07/10




