出版社内容情報
ゲノム中心の生命観を変える、生物科学の新しい概念「エピジェネティクス」。遺伝の影響でもない。DNAの突然変異でもない。分子レベルのごくわずかな化学的変化が、目をみはる不可思議な現象を引き起こす。自然の妙技と生命の神秘。世界中のサイエンティストが熱い視線を注ぐ、いま一番ホットな話題を楽しく語る。
内容説明
ゲノム中心の生命観を変える、生命科学の新しい概念「エピジェネティクス」。遺伝でもない、突然変異でもない。ゲノムに上書きされた情報が、目をみはる不思議な現象を引き起こす。自然の妙技と生命の神秘。世界中のサイエンティストが熱い視線を注ぐ、いま一番ホットな話題を楽しく語る。
目次
序章 ヘップバーンと球根
第1章 巨人の肩から遠眼鏡で
第2章 エピジェネティクスの分子基盤
第3章 さまざまな生命現象とエピジェネティクス
第4章 病気とエピジェネティクス
第5章 エピジェネティクスを考える
終章 新しい生命像をえがく
著者等紹介
仲野徹[ナカノトオル]
1957年大阪生まれ。1981年大阪大学医学部卒業、内科医としての勤務、大阪大学医学部助手、ヨーロッパ分子生物学研究所研究員、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授を経て、大阪大学大学院医学系研究科・生命機能研究科教授。専攻、エピジェネティクス、幹細胞学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
181
生物に影響を与える一つとしてエピジェネティクスがあることを初めて知った。中々難しいが話が面白かった。2015/04/24
小梅
90
ほぼ日の学校で貸し出しされていた本。難しいんだけど、それをなるべく優しく説明してあると思う。それでも私には難しかったけど。生まれた後の環境でDNAが順応し変化する。そしてそれは遺伝子に書き込まれ伝達されていく。2019/07/31
姉勤
50
「エピジェネティクス」永く進化論や、突然変異論の様な、次代以降に影響を及ぼす明確な遺伝子の変化に依らずに、短くて一代だけで生まれてくる個体に変質をもたらす。親の生活環境や、胎児の時の栄養常態に影響され、遺伝子配列を影響せずに発現する箇所にマスキングやフィルタリングのように作用して、同じ遺伝子でも違うものが生まれるという。今まで遺伝病だと思われていた、癌や成人病になりやすい人にくい人や身障児なども。エピジェネティクスで解明、将来は予防もできるという。半分も理解している自信もないが投げずに読むことができた。2015/06/22
gonta19
48
2014/6/28 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。 2014/9/3〜9/6 近い分野で仕事をしている割には不勉強であまり良く知らなかった「エピジェネティックス」という分野。代表的な研究者である仲野先生がわかりやすく解説してくれている。面白いけど、実際に研究するには大変な分野だろうなぁ。 仲野先生の科学に対する考え方も随所に散りばめられていて、それを読むだけでも価値がある。2014/09/06
壱萬弐仟縁
41
エピジェネティクス:DNAの塩基配列の変化をともなわずに、染色体における変化によって生じる、安定的に受け継がれうる表現型(ⅰ頁)。女王バチと働きバチの違いは、育てられ方、餌のちがいによる(91頁)。重要なことは、ほ乳類のメスは、X染色体の遺伝子発現からすると、2種の細胞から構成。父親由来のX染色体だけが活性化されている細胞と、母親由来のX染色体だけが活性化されている細胞とのモザイク状況(173頁)。2015/10/10