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岩波新書
環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309307
  • NDC分類 202.5
  • Cコード C0221

内容説明

貝塚で発掘された骨のかけらから縄文人の食生活を推理し、遺跡の土の分析から古代のトイレをつきとめる―文献史学、動物学、植物学、生化学、寄生虫学などの研究成果を生かして、埋もれた過去の暮らしを明らかにする環境考古学の、豊富な成果を紹介しよう。日本各地と欧米のフィールドで知的なスリルに満ちた探索が繰り広げられていく。

目次

第1章 食卓の考古学
第2章 土と水から見える古代
第3章 人、豚と犬に出会う
第4章 牛馬の考古学
第5章 人間の骨から何がわかるか
第6章 遺跡保存と環境

著者等紹介

松井章[マツイアキラ]
1952年大阪府に生まれる。1979年東北大学大学院博士課程中退。専攻は環境考古学、動物考古学。独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺物調査技術研究室室長、京都大学大学院人間・環境学研究科客員助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びっぐすとん

4
最近寄生虫の本をよんだので「トイレの考古学」が面白かった。最近の考古学は化学や生物学など多分野にわたっており、文字資料がない縄文・弥生などは文系の研究だけじゃ限界がきてるんだろうな。むしろこれからは理系の分野になるのかも。海外の考古学は他分野との共同研究や他国の研究者との交流も盛んみたいだし、日本みたいな閉鎖的なやり方だと国際基準から遅れそう。肉食が少なかったといわれる日本でどの時代でも普通にイヌ(!)が食べられていた痕跡があるということがショックだった・・。2016/08/07

メイロング

3
ミステリの謎解きパートを読んでいる気分。幅広く紹介して、気になった分野は自分で調べてみてね、という姿勢、どれかに集中しても良かったのでは。「斃牛馬処理に携わった人びと」をたどっていくと被差別部落や古代芸能の深奥に行き着けそうでわくわくする。土器に埋め込まれてた昆虫から当時の土器があった周辺の様子を推理する研究と似ていますね。2020/02/19

Yasutaka

3
動物、トイレ、寄生虫、花粉、人骨、そして戦争。一見するとどれも「考古学」という漠然としたイメージとはおよそかけ離れたようなフレーズが並ぶ。しかし、本書読むとこれらが全て繋がってくる。煎じ詰めるところ、考古学は沈黙する人類の歴史を解き明かすために、ありとあらゆる手段を用いてアプローチする学問なんでしょう。さながら、意中の相手を落とすように。されど高嶺の花。かぐや姫の如し。・・・なのかもしれない。2015/09/22

3
考古学というと遺跡を掘り出して土器とか埴輪とか…てイメージだったけど、環境考古学はその土壌などに残った種や骨や花粉や微生物やを、いろんな分野の色んな技術を使って分析してその当時の環境や食や文化をもっと生々しく浮かび上がらせる感じだった。衝撃だったのは、こうと信じて証拠を集めて持論を組み立て続けたものが、追跡技術の発展で完全否定されてしまうこともあるのだということ。地道な作業が多いことも併せて、本当に興味とタフさがないときつい世界だと思うけど、読んでいてとても面白かった。2013/10/01

Eddie

2
考古学というとガチガチ文系のイメージがありますが、これを読むと理系色がかなり強い、むしろサイエンスの世界であるなと感じます。 理系的技術や知識によって驚くべき発見が増えるといいですね。2021/07/13

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