岩波新書
化学に魅せられて

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307099
  • NDC分類 430.4
  • Cコード C0243

出版社内容情報

私たちに科学者の枠をこえた魅力と希望を与えてくれる白川博士.そのノーベル賞受賞記念講演はじめ,既発表の文章や対談を1冊にまとめる.導電性ポリマー発見の経緯はもちろん,自然や研究への姿勢を縦横に語る.

内容説明

白川博士の発言は、科学者としての枠をこえた魅力と希望を私たちに与えてくれる。ストックホルムでのノーベル化学賞受賞記念講演と、既発表の文章や対談を一冊にまとめて刊行。博士たちが発見した導電性ポリマーとは何か、発見にいたる経緯はもちろん、学問や自然への姿勢、研究体制のありかたなどが縦横に語られる。

目次

1 「学ぶ」ということ(私の研究人生;大学で学ぶこと ほか)
2 ポリアセチレン薄膜の発見―導電性高分子時代の夜明け
3 電気を通すプラスチック(電気を通さないはずのプラスチック;なぜ金属は電気を通し、プラスチックは電気の絶縁体か? ほか)
4 導電性高分子から何が見えるか(導電性高分子への道;フィルム合成の達成 ほか)
5 現代の錬金術―導電性高分子がひらいたもの(対談:白川英樹・福山秀敏)(理科少年だった子ども時代;プラスチックは絶縁体? ほか)

著者等紹介

白川英樹[シラカワヒデキ]
1936年東京都生まれ。1961年東京工業大学理工学部卒業。筑波大学助教授、同教授をへて筑波大学名誉教授。2000年10月ノーベル化学賞を受賞。専攻は高分子化学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Lee Dragon

29
白川さんはノーベル化学賞受賞者の中で結構親近感のある方、というのも天才というより努力の人というイメージが強いから。失敗は成功の元とは言うけどもその失敗をちゃんと分析をしないと成功にはならんのですよね。負けに不思議な負けなしということです。2020/02/19

Arisaku_0225

15
2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏の受賞経緯や自伝的についてのインタビューや講演をまとめた一冊。白川氏の仕事はポリアセチレンという導電性高分子の発見と開発というもので、炭素や水素から金属のような性質を持つ物質を見つけたという正に「現代の錬金術」といえるものだ。細かいお話はよく分からないが、この仕事は化学と物理学を繋ぐ架け橋のようなもので面白かった。また、彼の仕事について強い反応を示したのが日本ではなくアメリカの研究者だったのもすごい話で、サイエンスに国境はないのだと実感。2023/09/28

11
白川博士はポリアセチレンに臭素が混じると導電性を示すことを発見した。これは有機高分子から金属を生み出したことを意味する。まさに現代の錬金術だ。このロマンあふれる功績が認められ、博士はノーベル化学賞を受賞する。本書はノーベル賞受賞記念講演とインタビューをまとめた一冊である。2018/12/03

aosora

6
電気を通すプラスチックを開発し、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏。子供の頃は特別、優れていた訳じゃないよ。実験でたまたま失敗したら、そこから発見があったんだよ!謙遜しつつも研究への情熱は人一倍だなぁと文章から伝わってきました。学生の頃学んだsp2軌道etc懐かしすぎて嬉しくなりました。好きこそものの上手なれ、自分も、子供たちも好きを極めて、日常の中で色んな発見をしてほしいなぁと思います。2023/12/02

Sumiyuki

6
軍医の次男坊は野山を駆け回る一方で化学に目覚め、大学院に進み、とある失敗から当時存在しなかった薄膜のポリアセチレンを見つける。その後臭素をドーピングし、現代の錬金術を起こす。@(導電性高分子の)設計の基本原理は、パイ電子が一次元に配列できるような共役した分子骨格をつくる@(なぜアジアの中で日本が一番ノーベル賞受賞者が多いかに対する回答の一部)サイエンスに国境はないと思うけれど、自分の母国語で勉強するのと、よその言葉で勉強するのでは、あとあとずいぶん違ってくるんじゃないかと思うんです。2020/04/26

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