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岩波新書
日本の現代小説

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004140344
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0295

出版社内容情報

現代小説――昭和文学の歴史は,時期的には関東大震災を契機として,大正文壇の主流をなした私小説からの脱出の苦闘に始まった.横光利一を中心とする新感覚派に見られる新しい文学への胎動,プロレタリア文学,「文芸復興」とよばれた昭和十年代,さらに戦中,戦後と変転きわまりない歩みを,著者の同時代史と重ね合せて描く.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

185
大正文壇は、心と心がふれ合う詩を求め小説本来の虚構を廃して芥川や谷崎を危機に陥れた。やがてそれに飽き足らぬプロレタリア派や新感覚派が興り、小説に思想性や破壊的な要素が加わる。続く転向文学やモダニズムは否定の否定ともいえるが、この自己喪失や逃避性は昭和の小説に一貫しているように思えた。戦後に新星のように輝いた太宰や安吾が小説の完成度(虚構性)とは関係なく心を打つのもそのせいか。椎名麟三や野間宏などマルクス主義から出た戦後作家も葛藤し、自我を問題とする。日本の小説は良心の問題をずっと引きずっているようだった。2023/05/07

カブトムシ

27
いわゆる第三の新人は、この新しい文壇の状況に適した生き方を体得した人々たちでした。阿川弘之、遠藤周作、小島信夫、庄野潤三、三浦朱門、安岡章太郎、吉行淳之介、などがそれです。彼らは戦争中に青年時代をおくり、そこで柔らかい心に刻まれた人間不信の念を、それぞれの主題にしている点で共通しています。彼らはみなよい意味での職人であり、鋭敏な人性批評家であり、文学が作家に何を要求するかを充分心得ています。(p186)昭和の中期、後期の作家たちでした。阿川弘之は九十歳以上、長生きしました。数年前にお亡くなりになりました。

無識者

9
近現代の小説のなかで「自然主義」がかなりのキーワードなのだろう。森鴎外の舞姫の「われとわが心さへ変り易きをも悟り得たり。きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写して誰にか見せむ。」はいつみてもムカつく箇所である。明治、大正時代の作品で今も読むに耐えるとか死文になってるとか所々でいっていて正直だと思った。2019/02/20

ミスター

6
やっぱり柄谷行人や蓮實重彦を読む前に中村光夫を読ませるべきだなと思った。あと安吾に対する評価「実は芸術至上主義」は正しい。2018/05/01

dra-wrappin

5
こちらも文学部の学生には欠かせない。2021/05/10

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