出版社内容情報
だれでも芭蕉の俳句の中に好きな一句があるだろう.その句が,何かことあるときに,どんなにかその人の心を慰め,支えになったことだろう.永年,芭蕉研究に精力をかたむけてきた著者が,年代順に名句を選び,きわめて綿密にかつ感情豊かに解説をほどこし鑑賞の手引きを与えながら,いつしか芭蕉の生活と心境に読者を引き入れる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せっぱ
2
芭蕉が平成にタイムスリップする漫画「俳句トゥ ザ フューチャー」が面白かったので、芭蕉の句を一句ごとに言葉遣いや背景を説明してある本を探しているうち手に取った一冊。各章ごとに5~6句を取り上げ、筆者の解釈も加えてある。「夜ル竊二虫は月下の栗を穿ツ」「いのちふたつのなかに生きたる桜かな」「月はやし梢は雨を持ながら」「命なりわづかの笠の下涼み」、ふたかみ山当麻寺を詣でた際の句「僧朝顔幾死にかへる法の松」など印象深い。芭蕉の各著作も読んでゆきたい。2015/04/12
ひねこ
1
小宮豊隆さん目線で書かれた松尾芭蕉の句の解説本。要するに松尾芭蕉が好きだ…と言う。なるほどと思いながら読みました。ちょっと文体が古くて読みづらいですが、これはこれで風情あり。何回か読みたい本です。2011/01/18
本命@ふまにたす
0
夏目漱石の門下生として著名な小宮豊隆による芭蕉による俳句の解説。おもに『野ざらし紀行』の時期くらいまでの俳句が取り上げられており、俳句が書かれた文脈を重視した解説が付けられている。紙幅のわりには多数の句が取り上げられているのが特色か。2020/07/21