出版社内容情報
かつて戦没者や国事殉難者が「英霊」として神社にまつられ,それへの参拝が国民に強制された時代があった.そしていま,「英霊」の復活をめぐって論議が高まっている.靖国神社や護国神社が,日本の伝統的な慰霊・祭祀とは異質の神社として創建され,天皇崇拝と軍国主義の普及・強制に大きな役割を果していく過程を丹念にたどる.
内容説明
かつて戦没者や国事殉難者が「英霊」として神社にまつられ、それへの参拝が国民に強制された時代があった。そしていま、「英霊」の復活をめぐって論議が高まっている。靖国神社や護国神社が、日本の伝統的な慰霊・祭祀とは異質の神社として創建され、天皇崇拝と軍国主義の普及・強制に大きな役割を果していく過程を丹念にたどる。
目次
1 幕末維新の招魂祭
2 招魂社から靖国神社へ
3 靖国神社と護国神社
4 現代の靖国問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
15
史実が詳しく書かれるが、肝心と慰霊と招魂については不明の本。霊を招いて鎮魂する行事が、維新前には、国事殉難者の名誉回復と志士の忠誠を顕彰するため再三行われ、維新後も続けられて合祀を無限に行うこととなり、招かないまま永久に一君万民版神社で祀ることになったらしい。慰霊との関係がどう展開したのか、肝心のそのあたりが見えないのが残念である。なお、戦犯合祀は1978年なので記述はなくて、靖国神社法案がしつこく出されたことが書いてあった。2020/09/01
うえ
2
・新政府の最初の仕事は崇徳天皇、後鳥羽天皇など他国に在る皇霊の「京都」環遷、そして楠社の創建、京都東山に招魂社の創建。明治天皇が熱田神宮に参拝。江戸城を東京城と改称し招魂祭を行う。つづく一大招魂祭を浜離宮で行うはずが延期。のち東京招魂社の創建。2013/12/26
ドビン
1
題名から受けるイメージとは違って、明らかに反靖国、反軍国主義のスタンスで書かれたものだが、歴史的な考察は実に詳細で、参考になった。2015/11/06
びーちゃん
1
靖国神社の歴史を概説。名称が安国神社ではなく靖国神社となった理由,英霊の語源など教えられることが多い。評価42011/08/27