岩波ブックレット<br> 「定常経済」は可能だ!

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岩波ブックレット
「定常経済」は可能だ!

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  • サイズ A5判/ページ数 64p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002709147
  • NDC分類 331
  • Cコード C0336

出版社内容情報

いま私たちは、持続可能な「経済のあるべき姿」の再考を迫られている。なぜ現在の「成長経済」ではダメなのか、「定常経済」とは何か、どのように移行していけばよいのか――。2014年の「ブループラネット賞」受賞者である環境経済学の大家が、日本の環境ジャーナリストの問いに平易に答える、第一級の「定常経済」入門。

内容説明

枯渇する資源、激変し悪化する環境、格差や貧困の拡大…。「成長」崇拝は私たちに持続不可能な社会をもたらした。いま人類は、「経済のあるべき姿」の再考を迫られている。なぜ現在の「成長経済」ではダメなのか、「定常経済」とは何か、どのように移行していけばよいのか。2014年の「ブループラネット賞」受賞者でもある環境経済学の大家が、日本の環境ジャーナリストの問いに平易に答える、第一級の「定常経済」入門。

目次

1 なぜ「定常経済」が必要なのか(「経済成長」に頼って問題解決ができない時代;本当に温暖化問題を解決するには;「空いている世界」から「いっぱいの世界」へ ほか)
2 「定常経済」とは何か(「定常経済」の着想と戦い;「定常経済」とは何か;なぜ経済学は「成長」にしがみつくのか ほか)
3 どうやって「定常経済」へシフトするのか(「うまくいかない成長経済」から「定常経済」へ;持続可能な経済への移行には、考え方の移行が必要;「定常経済」へシフトするために必要な「一〇の政策」)

著者等紹介

デイリー,ハーマン[デイリー,ハーマン] [Daly,Herman]
1938年、テキサス生まれ。メリーランド大学公共政策学部名誉教授。1967年、バンダービルト大学経済学博士。ルイジアナ州立大学教授、世界銀行上級エコノミストなどを歴任。経済学に環境、地域社会、生活の質、倫理性といった要素を組み込んで“定常状態の経済学”を再定義し、環境経済学の礎を築いた。特に“ハーマン・デイリーの3原則”として知られる持続可能な人間社会に不可欠な指標を明示し、世界に大きな影響を与えてきた。1996年にもう一つのノーベル賞といわれる「ライト・ライブリフッド賞」、2014年には地球環境問題の解決に大きく貢献した個人や組織に贈られる「ブルー・プラネット賞」を受賞

枝廣淳子[エダヒロジュンコ]
1962年、京都生まれ。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。環境ジャーナリスト、翻訳家。幸せ経済社会研究所所長。東京都市大学環境学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

35
Steady state economy(2頁)。ジェボンズのパラドックス:技術進歩で資源利用の効率向上してもコスト↓、新需要喚起され、資源消費量は増える(7頁)。経済の成長と、経済的な成長はイコールでない(13頁)。定常経済:一定人口と一定人工物のストックを持つ経済(20頁)。成長が不経済なら、成長は私たちを貧しくしてしまう(42頁)。成長とは食べる量を増やし、廃棄物に変える。発展とはスループット(入口から出口までのフロー)を生かして価値ある人生を送れるようにする。2016/02/02

ふみすむ

13
近代以降、先進国は経済成長を続けてきたが、拡大しない地球でひたすら経済規模を拡大していけば、地球環境の下位システムに過ぎない経済はやがて破綻する。有限な資源の消費ペースは、地球上の国々が経済成長をすればするほど大きくなる。同時に、経済成長のもたらす副産物である社会的・環境的コスト──失業、格差拡大、公害、森林伐採、海面上昇、産業廃棄物による汚染、生物多様性の危機など──もまた増大する。この本で提唱されている定常経済とは、経済成長と環境保全の両立という矛盾に代わる、真に持続可能な発展のための経済モデルだ。2015/01/24

Phai

5
マイナス金利と国債の買い取りという異常な手段を用いて日本の経済成長を引き起こそうとしている日銀を見ていると、そこまで無理して経済成長するのが必要なのかなあと漠然な疑問を感じ、経済学者でそういうことを言っている人はいないかと調べたところ見つけた本。自分の海外渡航経験を踏まえると、まだまだ経済成長した方が国民の幸福度が高まる国は世界に一杯あると思いますが、人口が頭打ちとなり、これ以上の経済成長が必要なくなった日本では、質的な成長によるゆるやかな経済成長を目指すように移行してゆくべきではないかと思いました。2016/06/15

ゆうろ

5
地球は有限。経済は地球のサブシステム。経済がどんどん成長して地球を覆いつくすほどになったら、それ以上は成長できない。持続可能な社会を実現するためには、経済成長ではなく定常経済の方がしっくりくる。ただ、最終章の処方箋はなかなか実現するのが難しそうなことばかり。だが、少しずつでも経済成長ではなく定常経済にシフトしていく行動は必要だと思った。 特に共感ができたのは、『未来世代にとっての「必要なもの」は、現世代の「ぜいたくなもの」よりも上位にくるべきです。』。 2015/01/15

じん★ひで

5
地球は有限。空いている世界からいっぱいの世界になった現代で、人間社会は、その枠を越えられない。自然資本を希少なものとして位置付け、知識情報は社会的産物として自由に共有できるようにしながら、量的拡大=成長から質的向上=発展へ移行すべきである。その際には、規模と再配分に関する議論を、古典派経済学や物理学・エントロピー法則などを手がかりに改めて再考すべき。2014/11/16

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