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岩波ブックレット
原子力と理科教育―次世代の科学的リテラシーのために

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  • サイズ A5判/ページ数 63p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002708867
  • NDC分類 375.42
  • Cコード C0336

内容説明

3・11の原発事故以前、原子力や原発、放射線について、教科書や副読本は何を教えようとしていたのか。それは、いかなる教育観に根ざしたものだったのか。BSE(狂牛病)事件で生じた政府・専門家への「信頼の危機」により大きく方向転換したイギリスとの比較から、日本の理科教育のあり方、ひいては公教育に対する考え方について検証する。

目次

第1章 日本では原子力・放射線問題をどう教えてきたか
第2章 市民の科学的リテラシーのための科学教育
第3章 『二一世紀科学』コースが登場するまで
第4章 科学コミュニケーションと理科教育の今後

著者等紹介

笠潤平[リュウジュンペイ]
1959年生まれ。香川大学教育学部教授。京都大学理学部卒、京都教育大学大学院学校教育研究科修了。89年にロンドン大学留学。京都女子中学校・高等学校理科教諭、慶應義塾高等学校理科教諭、再度京都女子中学校・高等学校理科教諭を経て、2007年より現職。専門は科学教育(とくに物理教育)、科学カリキュラム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちぇけら

9
卒研関連。原発と科学リテラシーを絡めた話題が上がっていたので。もう少しサイエンスコミュニケーションとも関連しているとよかった。2017/06/04

壱萬弐仟縁

9
今でこそりけじょと言われているが、中学の現場では理科教育は結構苦労しているという印象。入試問題も難化しているからである。原発輸出はダメであると改めて思う。学習指導要領の下で原子力・放射線教育(6頁~)をしていた教員の社会的責任も問われてよいと思う。枠内でおさめることと、枠のコンテンツに問題があれば額面通りに教える気になるだろうか。教員の資質は本来、そこを問うべきであるが、資質の定義も文科省や教委とはズレているのかもしれない。2010年発行の副読本の中身には問題があるようだ(16頁)。GCSE(27頁~)。2014/02/07

rigmarole

7
印象度B+。括弧・鍵括弧の多用で少し読みにくいものの、内容は啓発的でその指摘は鋭いです。理科教育での原子力の扱いが、推進派の意図でいかにバイアスのかかったものだったかを例証しています。文科省の欺瞞が暴かれたのがフクシマ。理科は推論力、判断力を養うものでなければなりません。それが科学的リテラシーというもの。知識はもちろん大切ですが、少なくとも科学と社会の関係に関する限り、推論、判断のための材料であり、また批判的に吸収させるべきものです。理科における市民教育の重要性、市民教育における理科の役割が分かりました。2017/11/30

乱読家 護る会支持!

2
原発の安全面や長所だけを強調し、子供たちに問題点や課題を教えてこなかった学校の理科教育に対して問題提起してはります。原発以外にも、レントゲンやCTの被爆リスクも教えないといけないし、薬や予防接種のリスクも教えないといけないですね。でも、子供たちからすれば、そんなに社会に問題あるなら、父さん母さんの世代で何とかしてよ!と言いたくなるような。。。2014/02/28

持 有人

2
これも日本の教育行政が目先のことしか見ていないのを、確認させられる本です。情報を精査し、自分の考えを持ち、他者と討議して問題の解決に向かおうとする市民を育てるための公教育の実現を、文科省は真剣に考えるべきなのに……。2014/01/04

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