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岩波ブックレット
憲法は誰のもの?―自民党改憲案の検証

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  • サイズ A5判/ページ数 63p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784002708782
  • NDC分類 323.149
  • Cコード C0336

内容説明

私たちの自由や人権を守るため、主権者が為政者を縛る道具として存在する最高法規、憲法。2012年4月に公表された自民党の改憲案は、そうした立憲主義の本質から逸脱し、平和主義や基本的人権の尊重、国民主権という現在の日本国憲法の原則を壊してしまう「壊憲」案にほかならないのではないか。立憲主義を見失った改憲論議は、危うい。

目次

第1章 誰のため、何のための憲法なのか
第2章 平和主義から「戦争のできる国」へ
第3章 人権の縮小、義務の拡大
第4章 なぜ九六条を変えてはいけないか

著者等紹介

伊藤真[イトウマコト]
弁護士、法学館憲法研究所所長、伊藤塾塾長、日本弁護士連合会憲法委員会副委員長。1958年生まれ。司法試験の指導を通じて多くの法曹を世に送り出す一方、「憲法の伝道師」として講演活動などを活発に行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュシュ

15
人は生まれながらに生命、自由、財産の権利、すなわち「自然権」をもっていて、これを守るために、市民が契約によって政府を作り上げた。そして、この契約による政府が正しく機能ないときには、市民はこれに抵抗する権利を持っている。この契約にあたるものが憲法でこの仕組みが立憲主義。自民党の磯崎陽輔氏は立憲主義について「昔からある学説なのでしょうか」とつぶやいたらしい。それでいいの?2013年発行だが、この本の中で著者が心配していたメディアへの圧力などが実際に起きていて怖い。『幸せな奴隷』になりたくない。2015/04/26

katoyann

14
憲法記念日に読みたいと思い、一気に読んだ。立憲主義とは、「憲法は、そこに守るべき価値を定めて国家権力に守らせ、それにより個人の尊重という憲法の究極価値を実現するための装置」(4頁)とする思想であるという。自民党の改正草案はこの立憲主義の否定にポイントがある。つまり、国家権力を拘束する規範であるはずの憲法が、為政者の恣意(国家権力)により、国民を拘束する規範に変化するのだ。 平和主義を否定して、軍事国家に生まれ変わったとき、国民を拘束する改正憲法は、過剰な警察権力による日常生活の統制を生むだろう。読むべし!2021/05/03

アルカリオン

6
p58 【憲法違反の国会は改憲を論じる資格がない】「一人一票の裁判が全国各地で起こされ違憲判決が相次いでいる。今の国会は衆参とも違憲と判断されている。裁判所は選挙無効の宣告を避けるために事情判決の法理を援用しているが、これは決して違憲の選挙に正当性を認めているわけではない。『正当に選挙された代表者』(憲法前文)とは言いがたい今の国会議員が何よりも先になすべきことは選挙制度の違憲状態を解消することである。憲法改正問題は、国の枠組みの根幹にかかわるものであり、憲法違反の選挙で当選した議員が扱うべきではない」2020/03/03

まつけん

3
2012年4月に自民党が決定した「日本国憲法改正草案」は立憲主義に基づかない危ういものだということを客観的に検証しています。 このような草案を起こす政党を与党としているのは我々日本国民です。 今まさに憲法とは何か、ということを私たち一人ひとりが考える時にあると思います。(いうまでもなく憲法の役割は、国家による国民のコントロールではありません。中国の「逃亡犯条例」改正案の問題も他人事ではありません。マイナンバー制度やキャッシュレス決済促進の意味もよく理解する必要があると思います。) 2019/10/15

新橋九段

3
立憲主義というものがどういうものか、結構あやふやだったので参考になった。憲法草案の解釈はそういう解釈もあるのかと驚かされるが、それが出来てしまう時点で危ういというのも確かだろう。2013/12/02

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