出版社内容情報
ひっこみ思案で気のいいホビット小人が,思いがけない旅に出る雄大な冒険物語.魔法使いガンダルフのたくみな誘いにのせられ,13人のドワーフとともに旅立ったビルボは,けわしい山々や闇の森を越え,竜に奪われた宝を取り返しにゆく.古代北欧の伝承の影響を色濃く残すファンタジー.〔解説・斎藤惇夫〕
内容説明
ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジー。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
522
本書の元になっているのが、ゲルマン神話の『ニーベルンゲンの指輪』であることは論を待たない。そして同時に、この17年後に書かれた『指輪物語』の原型となっていることも。後年の『指輪物語』は、本書の続編としての位置づけが与えられているが。これはフロドの叔父、ビルボ・バギンズ(後にフロドは養子となるが)の冒険物語である。まだ、重要度は低い(「ジークフリート」の隠れ兜の程度)が指輪も、そしてスマウグも既にここの登場する。ただ、『指輪物語』に比べると完成度は低い。ガンダルフも崇高性を欠くし、エルフもそうだ。2018/09/15
ケイ
129
どちらかというと平凡で平和主義の一人暮らしのホビット、ビルボのところに、魔法使いのガンダルフと13人のドワーフたちがやってくる。彼らはともに冒険に出た。目指すは、竜に奪われた宝ものだ。そこで会う、エルフやトロールたち。イギリスの童話の世界の者たちが大集合。感想は下巻に。2017/06/29
ひろき@巨人の肩
107
ファンタジー小説の祖、J.R.R.トールキンの初期作品。指輪物語の前日譚。ホビット族名家のビルボ・バギンズが13人のドワーフ、魔法使いガンダルフと共に、広大な中つ国を冒険する。人間、エルフ、ゴブリン、鷲、狼が共存する世界観は、現在のRPGと比較しても遜色なく壮大で、映画化まで時を要したのは納得。感想は後半で。2019/12/07
藤月はな(灯れ松明の火)
88
猪熊葉子さんの『大人に贈る子ども文学』での紹介でやっと、指輪物語シリーズの読む順番が分かり、フロドの叔父、ビルボの冒険編から着手することに決めました。読んでみたらひらがな多めで一瞬、戸惑ったけど、中身は凄く、面白い!「きんちょう」で最初、「謹聴」ではなく、「緊張」と脳内変換されたので戸惑いましたがwそしてマーティン・フリーマン主演の映画はかなり、要素が盛り込んだ作品だったことも発見できました。しかし、この作品でトロルは酷い言葉使いと評されているけど、現在のネットや日常会話の言葉に比べるとまだ、上品だと思う2016/12/09
アナーキー靴下
79
映画「ロード・オブ・ザ・リング」は観たが、その前日譚たる「ホビット」は観ていない。主要キャラがガンダルフとホビット、ドワーフ…イケメン不足では、なんて思って(実際はイケメン揃いらしい?)。「指輪物語」…お気に入りの方のレビューにて「ゲルマン神話のニーベルンゲンの指輪」が元だと知り、読みたい、そしてまずは本書から、と。「荒地のくに」の手書き地図、子供の頃はこういうのワクワクしたよな、と、この本を読むべき時期を失したのではと不安が募る。序盤はなかなか楽しめない。しかし指輪が出てきたあたりから面白くなってきた!2021/05/29