内容説明
地球面積の7%を占める「島」はいま、グローバル化の中で、かつての弱点が利点に反転する、大きな可能性をはらんでいる。地理、文化人類学、経済学など異分野の研究を集結して、学際的に「島」の多様なありようを議論する島嶼学。その成果を経済学的視点から整理し、島嶼学の「発祥の地」である琉球の島々を主な対象に、島嶼の分類・特質、持続可能性、島嶼技術、ネットワーク、自立経済構築に向けた政治経済的アプローチなどを分析するユニークな入門書。
目次
第1章 島の定義・アプローチ・分類
第2章 島嶼経済社会の特性と可能性
第3章 島嶼型持続可能発展モデルを求めて
第4章 沖縄:「島嶼型」グリーンテクノロジーの宝庫
第5章 島嶼社会のネットワーク
第6章 島嶼の政治経済学―沖縄:経済自立への挑戦
著者等紹介
嘉数啓[カカズヒロシ]
1942年沖縄県生まれ。台湾澎湖県アドバイザー、NPO法人アジア近代化研究所副代表、琉球大学名誉教授。国際島嶼学会創設理事(1994年第1回大会実行委員長)、島嶼発展に関する国際科学評議会(UNESCO‐INSULA)東アジア代表、日本島嶼学会名誉会長、内閣府沖縄振興審議会会長代理・総合部会長等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
32
恩師嘉数名誉教授。Nissology(“nisi”はギリシャ語で島嶼ゆえ、島嶼学)という名称がデビューしたのは1994年の沖縄で旗揚げされた「国際島嶼学会(ISISA)」とのことである(ⅴ頁)。提唱者Grant McCall氏によると、「島そのものを多面的な視点から“ありのまま”に研究する」学問領域とのこと(ⅵ頁)。地理学的な視点から見た島の特性は、海洋性=環洋性、遠隔性=孤立・拡散性、狭小性=分断性に要約できる(2頁)。嘉数先生の概念整理は図2-1 経済発展論的視点から見た島嶼の主要特性 に理解される。2018/05/18
takao
1
ふむ2021/05/07