内容説明
海の宝石と称され、その華麗な色や形態からダイバーたちに大人気の海洋生物ウミウシ。しかし美しい姿とは裏腹にヒトが想像もつかないような驚くべき繁殖戦略をおこなっている!ウミウシをはじめ、奇想天外なあの手この手を駆使してたくましく生きる海の生き物たちのふしぎと海洋動物を対象とする行動生物学者たちの生態に迫るエッセイ。
目次
1 使い捨てペニス(ウミウシの聖地;闘うヒラムシ ほか)
2 雌と雄の対立(子育てのコスト;雌でもあり、雄でもあり ほか)
3 海の動物たち(ラッコはかわいい;草むらのペンギン ほか)
4 消えたサンゴ礁(サンゴ誕生、そして消失;はるかなるブダイの群れ ほか)
5 夢に見た臨海実習(夢の臨海ジッシュウ;油壺のアメリカ流磯観察 ほか)
6 博物館の光と陰(ヒトはなぜ水族館に行くのか?;栄光のフランス博物学は彼方 ほか)
著者等紹介
中嶋康裕[ナカシマヤスヒロ]
1953年大阪市生まれ。大阪教育大学附属高校天王寺校舎、京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科修士、博士課程(動物学専攻)修了。京都大学理学博士。故日高敏隆氏に師事し、瀬戸臨海実験所で大学院時代を送る。宮城大学看護学部助教授、事業構想学部教授などを経て、日本大学経済学部教授。専門は動物行動学、進化生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
398
実に色鮮やかなウミウシ。ブルーやピンク、グリーン。ドットにシマシマ、模様だって変化に富んでいる。形もナマコ型ばかりじゃない。黄色が輝くピカチューモデルだって存在する。こんなに多様でありながら、これらがみんなウミウシ。実に不思議な生き物だ。ところが、何故こんなにいろんな色柄をまとっているのかはよくわかっていないらしい。毒を持っていることを捕食者にアピールしているのだが、当のウミウシ自身は色彩を識別できないらしい。あれで結構謎めいた生物のようなのだ。可愛いウイウシへの興味は尽きない。2021/04/06
kinkin
74
うみうしについても興味があったこととタイトルに惹かれて読んだ。うみうしについては科学的な専門用語も多く研究されている方以外は,すこしわかりにくいかも入れないと感じた。この本の後半は、生物に関するエッセイ集で個人的にはむしろこちらのほうが読みやすくラッコのことシーラカンスのこと「ひとはなぜ水族館にいくのか」などが面白かった。図書館本。2016/03/25
emi
38
ウミウシといいつつ、ウミウシ少なめの海洋生物にまつわるエッセイ本。ウミウシが何者なのかも知らずに読みましたが、結局ウミウシは何者なのかは…。ですが、ふだん物語漬けの中、発作的に読みたくなる科学系読み物は、楽しい。面白い。そしてちょっと気持ちいい!生物は、概ね解明されていても、イレギュラーな部分とかあるし、公式やパターン通りじゃない行動なんかもあるわけです。予想がつかない、説明できない、それが研究者の興味を引くのですが、そういう面白さを楽しめる人が増えたらいいなぁと、こういう本を読む度しみじみ思うのでした。2015/12/27
クラミ♬
37
題名からして「ウミウシだらけ」かと思っていたらそうでもなかった。けど大学教授の先生からみた博物館や学会、実習の様子なども楽しめる、面白いエッセイです⭐︎家族が描いてくれたという丁寧なイラストも◎子供時代の水族館遠足で夢中になり迷子になるエピソード、さもありなん!2021/05/05
calaf
20
雑誌『科学』の連載及び特集から選び出したエッセイ集。海洋生物...あまりなじみがないし、それほど興味も持っていないのだけど...まぁ、いろいろな生物がいるという事を認識できるというのは分かる気がします。。。2015/08/25
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- 和書
- 野生動物問題への挑戦