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そうだったんだ!日本語
旅するニホンゴ―異言語との出会いが変えたもの

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  • サイズ B6判/ページ数 196p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000286275
  • NDC分類 810.9
  • Cコード C0381

内容説明

日本語は日本の中だけで使われるものではなく、日本語とよばれることばにも、多様性がある。新天地を求めて移住した人々と、その子孫の日本語。日本統治の痕跡であり、現地の人々の共通言語として、コミュニケーションの大切な役割を担っている日本語。さまざまな言語と出会い、交わって姿を変えながら、苦難の時も幸福の時も人と人をつないできた。未知への探究心と、観察のための「しおり」を持って、世界の中のニホンゴを探す旅に出かけよう!

目次

第1章 海外に飛び出した日本語
第2章 ハワイ―多言語に囲まれた暮らし
第3章 カナダ―分散する日本語
第4章 ブラジル―日本語をめぐる葛藤
第5章 台湾―独り歩きする日本語
第6章 パラオ―標準語をめざして
第7章 世界の日本語を科学する

著者等紹介

渋谷勝己[シブヤカツミ]
大阪大学教授。1959年山形県生まれ。東京外国語大学卒業、大阪大学大学院文学研究科日本学専攻博士後期課程中退。専門は日本語学、とくに動態の研究

簡月真[カンゲッシン]
台湾・国立東華大学副教授。大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻博士課程修了、博士(文学、大阪大学)。専門は日本語学、社会言語学、接触言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

315
タイトルは倒置が用いられているのだが、主語はニホンゴである。どうしてカタカナで表記されているのかというと、ここで語られているのは、海外に出て行った日本語であり、それは日本の日本語とは幾分その様相を異にしているからである。前半ではハワイ、カナダ、ブラジルに渡った日本語の変容の姿。そして後半は日本の旧植民地であった台湾、パラオの日本語を考察する。もっとも興味深かったのは、台湾の少数民族の間でニホンゴがリンガフランカ(共通語)として残存していることと、宜蘭クレオールの存在である。まさに言語は時として⇒2023/07/16

チャーリブ

45
かつて大量の日本人が海外に移住した時代がありました。1つはハワイやブラジルなどのような労働移民の受入国、もう1つは台湾や韓国などのように海外の統治領です。その時に日本語も一緒に海外に旅をして現地の言語と遭遇したわけですが、本書はその歴史と現在のニホンゴの姿を教えてくれます。一言で言うと、各地のニホンゴたちは世代交代とともに静かに姿を消しつつあるようです。興味深いのは、台湾のある地域でリンガフランカとしてニホンゴが今も使われているという話。いつか日本列島からもニホンゴが消える日が来るかもしれませんね…。○2023/07/23

niisun

26
ピジン、クレオール、リンガ・フランカ。言語接触によって生み出される言語。海を渡った日本語(日本語話者)が生み出した日本語変種(ニホンゴ)について書かれた一冊です。明治維新後のハワイやカナダ、ブラジルなどへの移民一世から二世三世へと引き継がれたニホンゴと、世界大戦期の占領地政策として台湾やパラオで、現地人に教え込まれたニホンゴの変遷を追っています。たまたま次に読むのが“パンスカ”という独自の言語を操る主人公の物語を描いた、多和田葉子さんの『星にほのめかされて』である偶然に、何かしら因果を感じてしまいますね。2023/09/06

ドシル

16
日本語は日本人だけが使うわけじゃない! 日本を離れ海外で使われ、現地のことばと接触した日本語変種を辿る本。 例えば、大量に日本人が移住したブラジルやハワイでは、様々な日本人移民が使う方言がないまぜになり、日本で使う日本語とはまた少し違う日本語変種がある。 旧植民地の台湾やパラオでも日本語変種がある。 言語は全て同じ価値で、日本語変種も母語話者の日本語とは違う体系の変種であり、変種は容認されるべきと言うのが印象的。 ろう者が使う日本語も日本語変種でいいんじゃないかと思った。2020/01/29

サアベドラ

15
日本国外で使われている(た)様々なニホンゴ(日本語変種)をたどる旅。日本語方言学が専門の日本人と台湾人の研究者の共著。扱われているのはハワイ・ブラジル・カナダの各日系人の日本語と、パラオと台湾で日本の占領時代に教えられ、現地の人々の間で話されてきた日本語。興味深かったのは台湾の事例で、そこでは戦後も多民族間のリンガ・フランカとして使用され、クレオールが生まれた地域すらあったという。日本語にもクレオールが存在していたことは知らなかった。いずれのニホンゴも現在は急速に失われつつあり、調査が急務であるとのこと。2017/06/27

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