定本 見田宗介著作集〈3〉近代化日本の精神構造

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  • サイズ B6判/ページ数 225p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000284837
  • NDC分類 361.08
  • Cコード C0336

出版社内容情報

明治維新にはじまる近代への跳躍を人々はどのように受けとめたか。その心の変化は社会にいかなる変容をもたらしたのか。近代化の過程にあった日本を対象に、民衆の精神構造を実証的に考察し、歴史社会学的に分析する。収録作品:「明治維新の社会心理学」、「文明開化の社会心理学」、「明治体制の価値体系と信念体系」、「「立身出世主義」の構造」

内容説明

「見田社会学」と称される独自の世界を創造した著者が、自身の全仕事を振り返り、重要な作品だけを精選してその精髄を体系的に示す。統計資料などは最新データに更新、テクストに改訂を加えた上、各巻に「定本解題」を収録する、初にして待望の決定版著作集、ここになる。

目次

明治維新の社会心理学(課題・データ・方法;欲望の解放と解放の欲望―「ええじゃないか」の世界像と価値意識 ほか)
文明開化の社会心理学(「文明開化」―欲望。美意識。世界像。道徳意識;価値の準拠の再編成―権威の重層。同調と逸脱。都鄙の感覚の転形)
明治体制の価値体系と信念体系―国定教科書の内容分析(「家族国家」―道徳教科書に見る価値体系;「万世一系」―歴史教科書に見る信念体系)
「立身出世義」の構造―日本近代化の“精神”(日本近代の内面的推進力としての立身出世主義;秩序とエネルギー両立の方途 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

10
明治維新から文明開化期において、独特のプロセスで突如「近代精神」を身に付けることになった日本人とその社会のメンタリティと諸矛盾の考察。日本人論はたくさん読んできたつもりだけど、洞察の観点が違うというか、新しい発見がたくさんあったような気がする。「明治体制の価値体系と信念体系」「立身出世の構造」が特に面白かった。数世代を経てもなお、近代精神と日本独特の習俗に根ざした制約条件との矛盾を克服できず、社会と個人との間で自らを救い出せずにいる日本人のルーツがそこに描かれているようで興味深い。2012/04/10

小鈴

7
近代化日本の精神構造というタイトルで「明治維新の社会心理学」「文明開化の社会心理学」「明治体制の価値体系と信念体系」「立身出世の構造ー日本近代化の<精神>」の4つの論文が収録。すべて60年代に書かれたもので、すべて今回初めて読みました。日本の近代社会の第一サイクルについて、社会心理学の手法から捉えた本。2012/04/02

ぽん教授(非実在系)

4
最後の日本の金次郎主義=出世主義での近代精神の一部欠如の指摘については、海外もそんな完璧ではなかったという点から時代性を感じた。それ以外は結構面白かったが、依拠している研究が講座派歴史学によるところも多くアップデートが必要であろう。2015/11/10

ゆうき

1
明治時代の突入した人々の精神を分析した内容。法整備、経済政策、学校の設立と近代へのシステムを構築していった時代に価値観が変容する中で国家による国民の再教育が行われていった。家の再編し学校を作ることによって出世という競争意識をつくり出し、中央という東京へ職業によって出世に向かうことに家郷と中央という2つの準拠集団をつくり出した。2014/12/03

mrbeats197912

1
「上からの近代化を推進する支配層が見出した、かっこうのイデオロギーこそ、体制批判のキバを抜き去ったプロテスタンティズムとしての金次郎主義に他ならなかった。プロテストなきプロテスタンティズム!それが金次郎主義であった」2013/01/04

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