出版社内容情報
リスク社会を生き抜くために,リスクガバナンスやリスクコミュニケーションなどの観点から,諸分野に跨がる総合的学問の基礎づくりをめざしたシリーズ.3.11大震災を受けて,激甚な複合的災害を射程に入れた論考を増補した.
内容説明
リスク社会の出現は、従来の市場メカニズム・議会制民主主義・立憲主義などに支えられた公共空間に揺さぶりをかけ、法および法学は新たな挑戦を余儀なくされている。法は人為的な制御の可能性を度外視した結果に対する責任を各人に問えるのか?選択の自由と福祉の公平公正の原則に照らしたとき、福祉国家の撤退によって生じた各人へのリスク配分の格差をどう処理したらいいのか?刑法、ネット社会、環境行政、環境リスク、社会保障法、安全保障など、いくつかの事例を挙げながら、法学にリスク概念を導入し新たな知見を探求する初めての試み。
目次
序章 法律とリスク
第1章 リスク社会と刑法
第2章 インターネット社会のリスクと課題
第3章 リスクをめぐる環境行政の課題と手法
第4章 環境リスク問題への国際的対応
第5章 社会保障法とリスク
第6章 安全保障上のリスクと国際法
3.11後のリスク学のために 3.11後の法律からみたリスク
著者等紹介
長谷部恭男[ハセベヤスオ]
東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科教授。公法学(憲法)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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