内容説明
前世紀を上回る暴力と殺戮の予感に満ちた21世紀。私たちは犠牲者をいかに弔い、どういう距離感で状況をとらえればよいのか。著者は、現代の圧倒的な視覚文化やバーチャリティの問題と暴力とを、プリズムのように互いを通し「屈折」させて映し出す。ベンヤミン、アドルノから9.11まで、高名な思想史家が該博な知識と豊かな論理で展開する、刺激に満ちた一冊。
目次
慰めはいらない―ベンヤミンと弔いの拒否
父と子―ヤン・フィリップ・レームツマとフランクフルト学派
ホロコーストはいつ終わったのか?―歴史的客観性について
恩知らずの死者たち
バラの回心
ユニコーン殺人犯との文通
正義は盲目でなくてはならないのか?―法とイメージの挑戦
難破船へ潜る―世紀末の美的スペクタクル見物
天文学的な事後見分―光の速度と現実のバーチャル化
光州―虐殺からビエンナーレへ
宗教的暴力の逆説
恐怖のシンメトリー―九・一一と左翼の苦悩



