出版社内容情報
数兆円に達する予算規模をもち,域内GDPは多くの先進国を上まわる「世界都市」,東京。1999年に誕生した石原都政は,オリンピック招致,新銀行設立,築地移転と耳目を引く施策を打ち上げてきた。だが,この大都会の足元で,貧困と格差が広がっている。奪われる命,削られる福祉,崩壊した家庭と職場――現場からの報告。
内容説明
予算規模は約一二兆円、域内のGDPは多くの先進国を上回る。桁外れの経済規模を持つ東京都で、一九九九年の誕生以来、三期にわたって続いてきた石原都政は、小泉構造改革と響きあう形で「首都再生」を唱え、都市再開発を強力に進めてきた。新銀行東京やオリンピック招致は、その石原都政に咲いた徒花となった。だが、福祉・医療などの支出は切り詰められ、「ひとり勝ち」といわれる東京でも貧困・格差が増大している。「世界都市」東京の底辺と抵抗の現場を歩いた、渾身のルポルタージュ。
目次
第1章 福祉炎上
第2章 病院が消されていく
第3章 将軍様の銀行
第4章 オリンピック招致とは何だったのか
第5章 築地市場は誰のものか
第6章 夜間中学からの抵抗
第7章 トップダウンに「自治の花」が咲くものか
著者等紹介
永尾俊彦[ナガオトシヒコ]
1957年、東京都生まれ。東京都在住。毎日新聞記者を経て、現在、ルポライター。著書に『干潟の民主主義』(現代書館、第7回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞受賞)、『ルポ諌早の叫び』(岩波書店、第5回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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