内容説明
海外における比較思想研究の動向を紹介し、あわせて日本人の考え方を世界の諸思想のなかに位置づけた先駆的著作。世界各地で永い年月をかけて育まれた思想・哲学が大きなスケールで克明に論じられる。
目次
第1章 序論
第2章 比較思想論の発展
第3章 東洋思想と西洋思想
第4章 思想史への道
第5章 思想形態論
第6章 将来への展望
増補 最近における比較思想論
著者等紹介
中村元[ナカムラハジメ]
1912‐1999。1936年東大文学部卒業。専攻はインド哲学。東大助教授を経て、東大教授。1957年『初期ヴェーダーンタ哲学史』により学士院恩賜賞。1977年文化勲章を受章
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感想・レビュー
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KAZOO
45
岩波全書の中村元先生の「インド思想史」に引き続いての再読です。日本ばかりではなくヨーロッパ、アジア、アメリカにおける比較思想論の紹介、また東洋思想と西洋思想の対比を行っています。和辻先生の「風土」とこれを読むことによって比較思想についてのエッセンスを知ることができます。2015/04/24
roughfractus02
5
比較思想は19世紀の西欧各国の東洋に対する思惑と紙媒体の普及からその思想を知る交通が可能になって形成された。自らとの共通性と相違性を分けるこの比較には植民地主義の非対称的な力が作用している。一方、本書の比較とは普遍性から見た特殊性の検討であり、その根底には仏教の慈悲のような自己と他者を別け隔てない自他不二の論理が働いている。この徹底した普遍的平等主義をその理念として比較思想を構想する著者は、井筒俊彦なら各思想家の特異な神秘体験を普遍性に直結させるところを、各思想形態の特殊性(地理・歴史)から普遍性に迫る。2021/03/25
泥蓮洞
2
「比較の意味・意義」を期待して読んだのだが、情報の大半は思想史上の事実や実際の比較に費やされ、目的とするものは散発的に述べられるに留まった。収穫としては、「ひとつしか○○を知らない者は、ひとつも○○を知らないに等しい」という命題の発祥がゲーテにあるという事実。そうだったのか(私は○○に「宗教」が入るヨアヒム・ワッハの命題として知っていた)。同著者の『比較思想の軌跡』も注文中なので、目的の議論はそちらに期待かな。2011/10/14
大道寺
2
東西の思想を比較することの歴史、東西の思想の相違点と類似点、現代における比較思想の意義と手段について論じられている。まず第二章で欧州における東洋思想の受容の仕方が国別に述べられる。例えば、英国は大英帝国の経営の必要から、ドイツはアーリア人の起源を求めて、インドの思想を研究した。現代においてはアメリカが東洋思想を研究する姿勢を見せている。なお、本書で現代と言う場合は、1960年代のことだ(初版が1960年に出ている)。(続く)2011/01/15




