内容説明
わが国で提唱された情報量規準の概念は「予測」を中心に統計科学を組みなおすものとして古典的な統計学の枠組みを揺るがすものであった。そこで基本となった「モデル選択」の視点は、汎化学習の理論的基盤として、また、統計的モデリングの基礎として、多面的に発展し、ニューラルネットやデータマイニング、ゲノム解析など、情報を扱うあらゆる分野に必須のものとなっている。本巻では、情報量規準によるモデル選択と信頼性の評価についてはじめての読者にもわかりやすくまとめるとともに、情報理論の立場からモデル選択を論じるMDL原理、バイアスを許容することで推定能力を高める縮小推定の理論について、基礎からくわしく論じた。また補論では、広い観点から、古典的検定論とモデル選択の関係を論じ、諸理論のつながりを示した。
目次
第1部 情報量規準によるモデル選択とその信頼性評価
第2部 情報圧縮と確率的複雑さ―MDL原理
第3部 スタインのパラドクスと縮小推定の世界
補論 分布の検定とモデルの選択
著者等紹介
下平英寿[シモダイラヒデトシ]
1967年生まれ。東京工業大学大学院情報理工学研究科数理・計算科学専攻
伊藤秀一[イトウシュウイチ]
1942年生まれ。電気通信大学大学院情報システム学研究科情報ネットワーク学専攻
久保川達也[クボカワタツヤ]
1959年生まれ。東京大学大学院経済学研究科
竹内啓[タケウチケイ]
1933年生まれ。明治学院大学国際学部
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