江戸という幻景

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  • サイズ B6判/ページ数 259p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784902116212
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0021

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

勝浩1958

8
渡辺氏が蘇らせる江戸の人々の生活やコスモロジーを私たち現代人は決して実感することはない。豊かさの質がまったく違うことが分かる。物に満ち満ちた、お金があればほぼ様々なことが手に入る状態が豊かで幸福であるのか、本当の豊かさとは何かを考えさせてくれる著作である。2014/08/30

Masakiya

7
『逝きし世の面影』を読んで思ったのは、自分の視点が江戸時代の日本人では無く、近代の西洋人と同じだという事だった。彼ら西洋人の視点で語られる江戸に、自分がタイムスリップしたような気持で読むことができた。しかし本書は当時の日本人の随筆や紀行文による引用が主で、いわば江戸文明のフィルターにかけられた江戸が浮かび上がってくる。いや、正直言って私には浮かび上がってこないのである。落語や歌舞伎への違和感と同じといおうか。「理解する」という方法論が通用しない違う世界がそこにある、とでも言うしかないのである。2017/01/03

ゴロチビ

6
先生の本は「逝きし世の面影」に続き二冊目。著者は一世代上の方らしいので親しみを込めて先生とお呼びしたい。「逝きし…」は来日外国人による日本の印象だったが、この本は日本人の日記や記録等から江戸期の人々の暮らしを読み解く。素材の面白さは「逝きし…」同様。同じ様に日本の各地を巡り歩いても、見る側の姿勢によって評価が違うのが面白い。常に上から目線の記録は読んでいても気分がムカつき、記録者の品格が疑われる。性風俗について驚くような内容もあり、儒教的倫理観が日本全体に広がったのはいつ頃なのだろう?と考えてしまった。2019/09/01

HH2020

4
◎ おもしろくて楽しい本だった。江戸時代の人々の生活のさまざまな場面を、実に多くの書き物から拾い集めて紹介している。現代のわれわれとは当然ながら異なる世界観に生きていた。たとえば奇談の章では狐や狸に騙される話がたくさん登場するが、当時このような話を多くのひとが信じていたという。しかしそれは無知のせいではなく超自然的な現象の存在を信じていたからであり、森羅万象すべてが科学的に解明されると信じるよりはるかにまっとうな考えと思う。すでに失われてしまった彼の時代の心を今また振り返ってしみじみ味わうことも大切だ。2023/05/04

才谷

3
江戸時代に生きた人も我々と同じ血の通った人間だと再認識することができた。現代よりの生活は苦しかっただろうに、だからこそと言えばいいのか文中の人の暮らしは現代人より活き活きとしているように感じるところも多かった。2016/02/24

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