• ポイントキャンペーン

ヤポネシアの海辺から - 対談

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784902116007
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0091

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

belier

3
「土俗的な世界」に生きた二人の女性の対話。美しく神秘的だった奄美を島尾ミホ、また水俣を石牟礼道子が語る。「死の棘」の話題も出て、石牟礼の大変ユーモラスという驚くべき感想に島尾は喜び、あの作品は島尾敏雄が創り出した物語の世界という。ひどい書かれようとは思ってなさそう。だが、島尾は鳥とも仲良しになれるという巫女的な人であるが、夫をたてる昔風な妻と言う側面もある。本音かわからない。それ以外では、古すぎる道徳観の説教には閉口したが、古風で美しい日本語を使って、懐かしく美しい情景が二人から語られ、心地よく読めた。2022/08/19

けめこ

2
レポート用に。二人の対話は自然の巫女が話しているようだった。水俣病を目の当たりにした石牟礼道子は自然が壊され失われていくことに多大な危機感を抱いていたけど、島尾ミホはもっとプリミティブなところでかつてのふるさとを偲んでいる感じで、態度の違いが印象的だった。こういう感覚を持った人に会ってみたい。今ではたぶん叶わないだろうから、できることは二人の著作を読むことだけ。2016/01/14

猫風船

2
島尾ミホさんと石牟礼道子さんの対談本。ミホさんが奄美の例を話せば、石牟礼さんが水俣の例をもって返す、といった具合に対談がすすんでいきますが、やはり中心はミホさん。それにしても、おふたりの語り口はどうしてこうも美しいのでしょう。とくにミホさん。記憶のなかの加計呂麻島へのとめどない憧憬、南島の文化風俗、夫と過ごした日々… 限りなく美しい奄美の自然描写に読者の私までしみじみとさせられるいっぽうで、トシヲとミホの関係にはやはりどこか異和感を感じざる得ません。特異な女性であったことを再認識させられます。【以下引用】2012/09/24

びす子ちゃん

0
語り出される世界が、あまりにも美しい。もし戦前に生まれていたら、今の世界が、滅亡寸前としか見えないような気がした。もうこんな風景は見られないし、こんな言葉を使うことができないなんて。2017/09/02

クリイロエビチャ

0
「死の棘」を読んだ後すぐにこの本に相対したので、肩透かし感が半端ない。しかし、島尾ミホという人はやはり特異な人だとは思う。この対談自体はつまらないくて、ババが二人「昔は良かった・・・今はどうだ」というのを延々と語っているだけ。しかし島尾ミホの操る日本語の美しさには脱帽する。お伽噺を聞くよう。奄美を襲う台風から海辺を守る植物に対しての言及は、思わず書き写してしまった。『打ち寄せる高波を受け止めて和らげ、飛沫さえも葉枝の中に抱え込んで、聚楽や田畑への塩害を防いでくれました。』まるで賢治の童話のようじゃないか。2014/12/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/272310
  • ご注意事項