著者等紹介
谷口江里也[タニグチエリヤ]
詩人、ヴィジョンアーキテクト。1948年生まれ、石川県加賀市出身、横浜国立大学建築学科卒。中学時代から、詩と絵画と建築とロックミュージックに強い関心を抱く。1976年にスペインに移住。バルセロナとイビサ島に居住し、多くのアーティストや知識人たちと親交を深める。帰国後、イマジネーションと変化のダイナミズムをテーマに、ヴィジョンアーキテクトとして、エポックメイキングな建築空間創造などを行なうと共に、言葉による空間創造として多数の著書を執筆
ゴヤ,フランシスコ・デ[ゴヤ,フランシスコデ]
1746年、スペイン、アラゴン州サラゴサ近郊のフエンデトドス生まれ。1828年、フランス、ボルドーで死去。スペイン絵画史上の大画家であると同時に、版画というメディアを駆使し、あらゆることを表現対象と捉え、人間の表現行為の意味や不思議さを追求して、視覚表現史における近代の扉を開いた天才。若くして画家を志し、マドリッドにおいて、王立タペストリー工場のタペストリーの下絵(カルトン)を描く仕事や、王宮のコレクションのベラスケスの作品を銅版画にコピーするなどの下積みをした後、43歳で宮廷画家に任命される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまご
19
ゴヤの第1版画集. 表現者として,宮廷画家筆頭の地位に甘んじず,広く大衆に向けて表したもの…といえば良いけど,この版画集を購入できる人も特権階級だったんでは. その特権階級を皮肉ってる版画の多いこと. 批判されたりしなかったんでしょうか. そして一つ一つの版画に対して谷口さんの解説がまた面白いです.2017/02/27
ポメ子
6
ゴヤの世間を見る目が、鋭い。 批判する内容が現代にもつながるものが多々あり、昔も今も人間はあまり変わらないのかなぁと思った。2023/07/31
timeturner
6
ゴヤの版画シリーズをまとめて見られるなんてうれしい。ゴヤのメモと、アーティストでありスペイン在住歴もある著者による読み解きで、これまでより深く理解できた(気がする)。2017/11/07
P-man
2
大傑作評伝小説『ゴヤ』で堀田善衛先生が解説してくれてはいるけれど、すべてを見たわけではないのでこうして一冊にまとめてくれるのは嬉しい。それにしても、ゴヤの描く人間の愚かしい顔ときたら、それこそ堀田善衛先生の言葉を借りると「これはもう、まことに人間であることが嫌になってくるような」ものである。しかし、思ってたよりゴヤの遊び心が垣間見える作品も多いのは興味深い。聾した耳で、アラゴンの闇で笑う魔女の声を、ゴヤはたしかに聞いたのだろうか。2019/11/04