内容説明
中国や韓国から渡来して以来、我が国伝統の手仕事として優雅に育まれてきた繍の技。その伝統が培った図案の数々は、まさに装飾文様の粋といえます。四季の移ろいにみる繊細な眼差し、花鳥風月に向けられた美意識、これらを見るとき、改めてその豊かな造形感覚や構成美の素晴らしさに感嘆させられます。四季の花鳥、特徴的な丸紋、唐草、幾何学模様など、テーマごとに収録された線描の数々は、格好のデザインソースとして幅広く活用できます。伝統の繍技の解説と併せて、新しい表情を探る必携の図案集です。
目次
花丸
花文
器物文
風景文
御所解模様
誰が袖
丸紋
扇文
蝶文
鶴文
鳥文
動物文
人形文
貝文
天象地象文
吉祥文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
48
再読。着物や和風イラストを描く際にはかなりお世話になっている文庫本。和の意匠が白黒八割、カラー二割くらいで載っている。刺繍図面から起こしたらしく、かなり線画が細かく参考になる。花鳥風月だけでなく動物や昆虫もあります。2016/08/12
詠月
10
曼陀羅の図案はよく見かけますが、日本刺繍の図案はなかなか目にすることがありません。図案だけでなく、基本的な繍技の解説と刺繍作品がカラーで載っています。繍仏から千人針まで、ぬいの歴史は意外と深い。心を込めた手仕事には優しさが感じられます。伝統工芸が廃れているのは寂しいです。今のうちに祖母から和裁を学ばねばなりますまい。そう思わせてくれた一冊でした。2013/08/22
shou
3
日本の刺繍の図案集。巻頭の縫いの技法にふんふんと感心し、続くカラーの豪華な作品の美しさに陶然。図案を眺めていると花鳥風月に題をとりながら幾何学な紋様に織り込んでいく造形感覚が面白い。2015/07/03
影法師
0
眺めただけ~2012/01/28