精神の生態学 (改訂第2版)

精神の生態学 (改訂第2版)

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  • サイズ A5判/ページ数 669,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784783511755
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C1010

内容説明

文化とは?性格とは?病気とは?情報とは?進化とは?意識とは?文明とは?環境とは?芸術とは?神聖とは?物象科学の思考を捨て、関係性を問いつめ、マインドの科学を築いていった巨人ベイトソンの全軌跡。

目次

第1篇 メタローグ(確率論の基礎講義―物はなぜゴチャマゼになるのか;メタメッセージとは何か―フランス人の手ぶり ほか)
第2篇 文化と型式(関係の力学から文化の総体を見る―文化接触と分裂生成;科学とアナロジー思考―民族の観察から私が進めた思考実験 ほか)
第3篇 関係と病理(性格を形成する学習とは―社会計画と第二次学習;「うそ」と「ふり」のパラドックス―遊びと空想の理論 ほか)
第4篇 情報と進化(進化論の考え方についての提言―生物学者と州教育委の頭のからっぽさについて;ラマルクとダーウィンの対立を止揚する―進化における体細胞的変化の役割 ほか)
第5篇 生命と認識(「意味」とは何か―サイバネティックスの説明法;コミュニケーションの発生と進化―冗長性とコード化 ほか)
第6篇 文明と健康(今世紀に起こったもっとも重要な二つの事件―ヴェルサイユからサイバネティックスへ;「パワー」と「コントロール」の神話を撃つ―エピステモロジーの正気と狂気 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

70
関係性を主語として(普通の思考で'関係性'と言えば例えば名詞Aと名詞Bの関係性は…。という使い方になるが)様々な分野について語っている思考のレシピが味わえる。2020/12/02

シタン

22
広大な知の宇宙に放り出された。「我々の宇宙は物理的に決定されるだけでなく心的に決定される」。ラッセルの論理階型理論をルーツの一つとするサイバネティクス/システム理論に立脚しつつ、あらゆる問いに答えようとする強靭な学問を展開する。特に重要なのは「ダブルバインド理論」なのだろうが、感銘を受けたのはそこではない。知的営為の根底を流れる哲学、科学論が印象に残った。すぐれた学術書の例に漏れず点と点が結びつく快楽を味わえる。いつもなら「知識はネットワーク」と言うところだが、今は「生態系を構成している」と言いたい気分。2018/12/31

はら

18
文化人類学、精神医学であるグレゴリー・ベイトソンの論文集。様々な知識と豊富な具体例から語られる論文は興味深いものが多かった。第一編のメタローグもかなり面白い。 この本は図書館で借りて読んだのだけど、買おうと思ったら絶版なのか…。中古で数万円もするから復刊してくれないかなあ。 2018/08/19

roughfractus02

14
エコロジーというミクロかつマクロな掴みどころのない概念を、身の丈から問うとどうなるか? 原題はSteps to an Ecology of mind(精神のエコロジーへのステップ)であり、stepsという複数形の語は諸方向とも諸段階とも解釈できる。バリ島の習俗からイルカの遊びの習得まで、アメリカの戦時戦略批判から地球規模のエコロジーを説く横断する著者の40年近いstepsが年代順に収録される。テクノロジーが作る日常で生命としての自己と世界はどう繋がるのか?とい問いがロジカルかつ詩的な思考によって展開する。2017/02/16

Gotoran

9
本書は、NLPの父の1人であり、知の巨人と言われているG.ベイトソンの論文の集大成。アルコール依存症の治療に貢献した「サイバネティクス理論」、精神病棟でのフィールドワークから「ダブルバインド」という概念を生み出し、統合失調症をコミュニケーションの観点から説明。イルカのコミュニケーションから生物進化まで、自然界の広い事象を包括する“Ecology of Mind”を提唱。他にも学習とコミュニケーションの階層論、メタコミュニケーション等、興味深く読むことができた。今回は概観、理解の為の再読要。2012/05/30

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