内容説明
インド仏教の最高指導者、佐々井秀嶺は、宗教家としての使命感と持ち前の義侠心から、差別と貧困にあえぐ不可触民(アウトカースト)の解放と仏教復興に人生を捧げた。強大なヒンドゥー社会を向こうに回して、40年間に渡り、命がけの闘争を繰り広げる異形の荒法師の素顔が今明らかになる。
目次
第1章 取材には一人で来なさい
第2章 インド到着、デリーからナグプールへ
第3章 インド仏教徒の都、ナグプール
第4章 インド国籍取得、大菩提寺奪還闘争
第5章 龍樹菩薩の地、マンセル遺跡へ
第6章 永遠の求道者、佐々井秀嶺
第7章 ナグプールに生きる仏教徒たち
第8章 仏教徒の祭り「大改宗式」始まる
第9章 帰国、そして番組放映
第10章 再び、ナグプールへ
著者等紹介
小林三旅[コバヤシミタビ]
テレビ番組ディレクター。1972年生まれ。東京都文京区出身。明治大学文学部文学科演劇専攻を卒業後、テレビ番組制作会社に入社
今村守之[イマムラモリユキ]
ノンフィクション・ライター。1956年、大阪市生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。これまでに新聞、雑誌で、俳優、ミュージシャン、文化人類学者、力士、政党党首、夜逃げ屋、現代美術家、財界人、女子プロボクサー、小説家、写真家、東京タワーライトアップ用電球交換職人など約2000人をインタビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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原玉幸子
13
インド仏教実践編です。カースト制を信仰の土台としているヒンドゥー教と不可触民の解放を謳う印仏教との社会的な闘争はおおありで、それに私が訪れたことのあるナグプールが印仏教の都とは……絶句!余りの無知に恥じ入りました。佐々井を追った本書は評伝でも迫真のルポタージュでもないので残念ですが、私が何度も訪れて実感した「インドってインド人ばかり」は本当(数の多さにパワーを感じる!)で、又、佐々井だけでなく、歴史と現実生活の視点で印仏教の再興者アンベートカルの名前は覚えておくべき、は刺激でした。(◎2021年・春)2021/03/05
ほよじー
12
★★★仏教は紀元前5世紀頃インド北部に誕生したが、ヒンドゥー教やイスラム教に負け、インド国内では撲滅同然だった。その仏教の復興運動がいま始まっている。インドの人口の8割を占めるヒンドゥー教の最底辺にいる「不可触民」を仏教徒に改宗させる百万人の大改宗式(2004年)の大導師を日本人の佐々井秀嶺という人物が取り仕切ったという。インドの仏教徒(アンベードカル)は人口の1〜2割いるが、保証欲しさに不可触民として登録している。2016/07/02
NDS
9
なんとも「やくざ」な人、という印象を受けた。実際にやくざな道に足を突っ込んでいたこともあるかもしれないが、むしろ意思を通す姿、信念を通し続ける姿こそ、「やくざ」な印象を与えたのだろう。 インドでIT関連が発達している要因の一つとして、カースト制度があげられ、テクノロジーによってその呪縛を逃れる人も昨今はいる。とはいえ、長年によって染み渡った社会の意識を変えるのにテクノロジーのみでは至難であろう。 一方で、「インドのリーダーはこうやって民衆に殺されていくんです」という一言もまた重い一言であった。2018/01/30
Hiroki Nishizumi
5
知らなかった。すごい人がいるものだ。ただこの著者では佐々井秀峰の真の姿が見通せない。他の書にもあたろう。2015/06/18
renren
4
これはすごい。インドのカースト制度の軛から下層民を解き放とうとしたアンベードカル(あのガンジーと論争。ガンジーですら不可触民の解放には否定的だった)の後継者は日本人だった!というドキュメント。カーストはヒンドゥー教によるものであるゆえに、佐々井氏は仏教改宗により彼らをその制約から解き放っている。彼らの仏教は「闘う仏教」。チベットの例を見てもわかる通り、仏教は闘うための思想ではない。団結と異要素の排除・攻撃は二元的価値観を持つ一神教のもので、仏教は個人の生き方と認識を変えるだけのもの。しかし社会において2012/09/16




