内容説明
平氏一族は京の都で、人びとを驚かすほどの贅沢におぼれたとされる。『平家物語』は、「平氏にあらずんば、人にあらず」と伝え、平氏の栄華を、「驕れるものは久しからず」と批評した。しかし、その頂点にあった清盛は、我侭な権力者などではなく、優れた見識をもった人物で、皇室や貴族に細かい気遣いをした。だがその甲斐もなく、晩年、我侭放題な後白河法皇と衝突してしまう。時代のはざまのなかで、かれはいかに生きたのか。
目次
序章 転換期が生んだ英雄、平清盛
第1章 院政が平氏台頭のきっかけに
第2章 若き貴公子、平清盛
第3章 平清盛と保元の乱
第4章 平治の乱への流れ
第5章 平氏全盛へのみち
第6章 平清盛が太政大臣に
第7章 平氏政権のもとの安定
第8章 平清盛と後白河法皇の衝突
終章 源平合戦と平清盛の最期
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年山口県防府市生まれ。東京大学大学院国史学科博士課程修了。文学博士。現在、明治学院大学教授。日本古代史を中心に日本文化を歴史哲学、比較文化的視点で扱った研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
60
通史としての平家の歴史がよくわかった。改めて平家は最後の貴族政権だったんだなぁと思った。以後日本史においては江戸辺りまで戦乱につぐ戦乱で武家政権の時代になっていく最後の安定した時代だったのかなぁとも思った。2012/08/06
ジュンジュン
6
悪者のイメージが強い清盛に、新しい視点を与えてくれる。平氏を皇室を支える軍事貴族(故に武士ではない)と捉え、源氏に敗れた事により貴族政権が終わったと。面白いが、評価が高すぎる気がする。地図や系図がふんだんに挿入されて理解を助けてくれる。もっとも本文とのズレもあり度々ページを捲らなくてはならないが。2019/09/06
ja^2
2
『平家物語』で言う「奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」を改めて考えさせられた。▼平氏の天下は、平清盛が太政大臣になった1167年から源平合戦で壇ノ浦の戦いに敗れる1185年までだとされるから、僅か20年足らずだったのである。まさに奢れる人は久しからずか……。▼「奢れる人」の代表のように捉えていた清盛だが、本書によれば彼は武士でありながら貴族社会と親しく交流できるほどの教養を持っていたし、配下の者にも優しく接していた傑物だったようである。彼はまさに春の世の夢のような一瞬の煌めきだったのだ。2025/11/23
タムーチョ
2
非常に分かりやすいです。図面や家系図などを駆使しています。入門書には打って付け。平清盛は父や祖父の作った基盤や後白河院の影響はあったモノの、1代で太政大臣まで登り詰めました。 しかしこれは彼の実力や仁徳があってこそなし得た偉業だと思います。今の日本を見て平家一門はなに思うのかな。2022/04/06
Zhao
2
イメージでなく史実(多分)に基づいた平清盛が書かれた一冊。 アンチヒーローでもなく、傲慢な独裁者でもなく時代の引き継ぎに大きな役割を果たしたという本書の見方はなるほどそうであったのかも、と思わせる。 国民的ヒーローの源義経の影響か源氏が善で平氏が悪というイメージはどうしても強いがもう少しフラットに考えた方がいいのかもね。2013/05/18
-
- 和書
- エトロフの恋 新潮文庫




