出版社内容情報
東日本大震災、政権交代、地方消滅、嫌韓、ブラック企業、格差社会……ここ10年で沈没したかに見えるニッポンの今を本を片手に追及しまくる痛快社会批評。
内容説明
戦争、原発、経済格差…。さあ、この国は沈没か?どうなんだ?いま何が起こっているのか。その時々のトピックスを関連書3冊をベースに論じる、47の同時代批評。
目次
激震前夜(「地方の再生」っていうけどさ;「切り札は世界遺産」の愚 ほか)
原発震災(事故は予見されていた;震災直後の震災特集はすべて「想定内」 ほか)
安倍復活(デモ(だけ)で社会は変わるのか
会津藩士の娘がヒロインになるまで ほか)
言論沈没(何とかしてくれ「嫌韓」思想;ヘイト・スピーチの意味、わかってる? ほか)
著者等紹介
斎藤美奈子[サイトウミナコ]
1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年、『妊娠小説』(筑摩書房/ちくま文庫)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房/ちくま文庫)で第一回小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
48
テーマごとの3冊の本の紹介であり書評兼社会批評。原発、選挙、沖縄基地、日米関係など、読んでいると、ニッポンもう終わった!!という気持ちになる。このままではダメだとは皆、気づいている。変わらなければダメだと。そう思うものの、絶対に変わらないだろうとも思っている。このまま、どんどん悪い方へ向かう一方で希望も何も無いのだディストピアニッポン……という気分。滅びの国へようこそHELLYEAH!!(やけくそ)2016/03/30
もりくに
43
大好きな斉藤美奈子さんが、ニュースな本の「書評」を通じて、「時評」との中間を行くとのこの本、「忖度」があるわけもなく、切れ味抜群で面白かった。まず、2010年代の日本を特徴づけるキーワードとして、「戦争」、「原発」、「経済格差」を挙げている。さらに大きな人災を2つ。1つは3・11。もう1つは第二次「安倍」政権。毎回3冊の本を取り上げている。<世界史本が売れているのは何?>では当時話題の「世界史」(W・Hマクニール)と、「銃・病原菌・鉄」(J・ダイアモンド)を比較している。(どちらも購入も、「死蔵」本。)2020/02/14
おかむら
40
いつも小気味好くチクチク刺してくれる斎藤美奈子さんの新刊。毎月のお題(時事ネタ)に関する本を3冊読んで書評。良い本だけでなくダメな本もちゃんと読んでダメだししてくれるところが楽しい。痛快批評。ったく安倍はよう、と思ってる方にはオススメ。あと百田キライの方にも。2015/11/20
おさむ
37
東京新聞のコラム同様に「切れ味」抜群の書評集。浜矩子さんと並んでいま、最も説得力があり、論理的で、読みやすい文章を書ける評論家ですね。原発震災、安倍復活、言論沈没と、この5年で日本という国が「イヤーな感じ」に変わってきたことを改めて実感します。2015/11/07
minimu
33
時評と書評の間を行き、コンパクトながらも震災〜昨年までの多様なテーマを扱っている。あれもあった、これもあったと直近五年間の総ざらいができたことと、これまで見えていなかった真実を知ることができたので、選挙前に読んでおけてよかった。普段怒りっぽくないという著者が、これだけ不機嫌を晒すということは、どれだけニッポンやばいかってことですね。2016/05/24