介護退職

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396633684
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

故郷で暮らす老母が雪かき中に骨折した―。突然介護を託された男の人生に、光は射すのか?今そこにある危機を、真っ正面から見据えた問題作。

著者等紹介

楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年生まれ。米国系企業に勤務中の1996年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、綿密な取材に基づく圧倒的なスケールの作品で読者を魅了し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とろこ

77
主人公は50代半ばの男性。世界を股にかけ、バリバリ働いている管理職である。私とは、年齢も性別も経歴も全く違う。私は、主人公よりも遥かに若い。が、私の母は、主人公の母よりかなり年上だ。そして、私は今、母の介護を目前にしている。高齢化社会において、親の介護は、いつ、誰が当事者になってもおかしくない問題。誰が主に介護するのか。仕事と介護の両立は可能か?様々な問題が提起されている。この小説では、義理の妹や元の上司の理解や支えがあり、希望が見えるラストだったが、現実はもっと厳しいと思う。介護の計画は早くから。2017/06/16

あじ

75
今現在、私の両親は健在である。将来どちらかに介護が必要になった場合、老老介護がまず主体になるだろう。そして片親の介護は、私にのし掛かってくる。覚悟して看取りたいと思うのは、親への感謝と娘としての責務だ。しかし介護をする側にも生活がある。収入が失われれば、将来を憂う事に終始する。介護に掛かりきりになれば、心労が募る。親と娘の共倒れの図がありありと描け、生死をさ迷うような息苦しさを間近に感じた。介護に対しての認識を突き付けつつも、人生の本懐の奥行きに、行き止まりはないという前向きさも併せ持っていた。星三つ。2014/12/17

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

64
故郷の秋田で一人暮らしをしている母親が、雪かきの最中に転んで足を骨折。突然突きつけられた介護という問題にどう対処するべきなのか・・。こういった話が女性側からではなく男性側の立場で描かれたという事と、問題提起としては良かったと思います。そしてこの本に書かれていたように私達の今の生活が、両親の健康が前提で成り立っていることを改めて痛感しました。ただ皆さんの感想にもあるように、主人公の仕事の事といい上手くいきすぎた感はありました。現実には悲しいことに共倒れ寸前のケースが多いのでしょうね。★★★★2012/12/01

かんらんしゃ🎡

61
がんばらない介護とは言うものの、会社勤務の間中ほっておけるわけでなく、かといって特養も老健も長期の順番待ち。待ったなしの状況では仕事を辞めざるをえない。日々の暮らしの中でリスクヘッジが遅れてしまっても当人だけに責任を負わせるのは過酷だ。特に親一人子一人では個人で解決するにはハードルが高すぎる。この問題に行政は追いついていない。2018/04/19

まつうら

59
備えなくてはと思いつつ先送りしてしまっていると、突如として目の前に立ちふさがるのが介護。子供の進学によって生活コストが上がる一方で、役員昇進をかけて職務に邁進しているサラリーマンに、親の介護が覆いかぶさるシーンを目の当たりにすると、自分は何の備えもしていないことにハッとさせられる。さらに、介護の中心的な役割を担っていた妻が過労で倒れると、そこから先は介護退職へまっしぐらという、楡作品らしからぬ転落のストーリー。。。最後は介護退職からは救われるものの、母親の介護問題は何も解決していないことが気がかりだ。2023/09/04

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