出版社内容情報
藤善 真澄[フジヨシ マスミ]
著・文・その他
内容説明
中世より近世へ、歴史はまさに激しく変わろうとする唐の開元・天宝時代。豪華絢爛たる宮廷生活を舞台に、奇しき縁で結ばれた男と女たち。天性の美貌のゆえに運命に翻弄され、悲劇へと導かれる楊貴妃…運命にあらがい、あらゆる策を駆使しながら人生との闘争にあけくれた安禄山…畢竟、かれらが得たものは何であったのか。本書は、繁栄をほこった大唐帝国がようやく衰えはじめた激動の時代を縦糸に、安禄山・楊貴妃・玄宗皇帝の生き様を横糸にして、己がじし織りなす人間模様を鮮やかに描きだす。
目次
1 安禄山の挙兵とその背景
2 楊貴妃の登場
3 暗雲ひろがる
4 享楽の宴
5 国破れて山河あり
6 破局そして暗転
著者等紹介
藤善真澄[フジヨシマスミ]
1934(昭和9)年、鹿児島市に生まれる。京都大学大学院博士課程修了。神戸女子大学助教授、関西大学教授など歴任。2012年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
5
安禄山と楊貴妃を両端に、玄宗を下にした逆三角形。そんな形で描かれる安史の乱顛末記。己の運命を自ら切り開く男と、流されるまま運命を受け入れる女との、見事なコントラストを魅せる展開(あとがきより)。2020/12/06
K子
0
1984年に刊行された本を底本として、なんかちょっとアニメチックな表紙絵もついて復刊したもの。 読みやすいし、内容も面白い。安禄山と楊貴妃という、出自の時点から伝説だらけの二人が題材ということで、いろいろな資料の説を紹介しつつも、その中から信憑性の高そうなところを導き出しているのが良いです。 2020/06/26