Crest books
空高く

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  • サイズ B6判/ページ数 444p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900540
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

イタリア系移民の父が興した造園業を息子にゆずり、軽飛行機三昧の日々を送る主人公。幼い二人の子を遺し、韓国系の妻が自殺めいた死に方をしてから四半世紀。地上半マイルから見下ろすと、すべての憂さが消えてしまうようだ。―だが、母を喪った子どもたちを育ててくれた長年の恋人は去り、老いて施設に暮らす父はいよいよ衰え、結婚を控えた娘は、重い病に襲われる。愛する者を半ば遠ざけるようにして生きてきた男に、決断のときが迫ってくる。全米期待のコリアン・アメリカン作家による、三代に亘るカンバセイション・ピース。

著者等紹介

リー,チャンネ[リー,チャンネ][Lee,Chang‐rae]
1965年ソウル生まれ。3歳のとき、両親と妹とともにアメリカに移住。父は精神科のカウンセラー。イェール大学、オレゴン州立大学大学院創作学科に学ぶ。95年、第一作『ネイティブ・スピーカー』発表。PEN/ヘミングウェイ賞ほかを受賞し、鮮烈なデビューを飾る。99年には「ニューヨーカー」の「21世紀期待の若手作家20人」にジャンパ・ラヒリらとともに選出される。同年、第二長篇『最後の場所で』を発表。ゆるぎない評価を得る。02年からはプリンストン大学創作科で教鞭をとっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

143
韓国系アメリカ人作家による家族の肖像である。60歳になる ジェリーの視線で 物語は語られるが、ひどく 静謐な雰囲気が 心地よい。妻デイジーを 亡くし、恋人リタとは 別れ、心が折れそうな日々を過ごす …ジェリーの内面を丹念に語る独白のせいか、 やや単調になりがちだが、家族への想いが 愛おしい。空の上から ジェリーが見た風景と 地上の現実が 印象的な、作品だった。2020/01/26

星落秋風五丈原

8
地上から逃れるように、軽飛行機三昧の日々を送る「私」。幼い二人の子を遺し、韓国系の妻が水死してから四半世紀。恋人は去り、老いて施設に暮らす父は失踪し、一人娘は死を覚悟で子を産もうとしている。ぬきさしならない状況のなか、決断のときが迫ってくる。気鋭のコリアンアメリカン作家が描く波乱にみちた家族の肖像。家庭の崩壊とささやかな再生を描いた筋書きは、あまり感情移入できるようなタイプではない。2006/06/19

umeko

8
面白かったです。人生を飛行機から見下ろすように、人間関係に過去から未来まで見渡せたら、楽に生きることができるかもしれません。わずらわしい人間関係に、次々と起こる望まない出来事。それでも独りじゃないことが「幸せ」なのかもしれませんね。飛行機から地上に降り立つと感じるような、重力のある物語でした。2011/10/02

りつこ

4
仕事を引退した初老の男がそれまでの人生を振り返りながら、人生の岐路に立ち決断を迫られる。抑揚のないだらだら続く文章は、面白みのないおやじの独白を聞かされているようで、ちょっといらっとくるのだが決して不快ではなく、気がつくと話に引き込まれその人生にも引き込まれている。歴史に残ることの無いたわいもない男の戯言なんだけど、面白いっ!こういう小説に弱い。2010/06/04

コホン

1
やりきれないな。もし、母親の話だったらどうだろう。娘ががんに侵されていて、妊娠もしていて、死に向かっているようなのに、彼のように救えないのだろうか。母親ならばもっと違う未来が娘にあったようにも、息子にあったようにも思える。周りの大切な人間をいつも守りきれず、距離を置いて接しているような主人公が好きになれなかった。2012/07/06

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