出版社内容情報
柴崎 竜人[シバザキ リュウト]
著・文・その他
内容説明
東京の裏町に佇むプラネタリウム「三軒茶屋星座館」。店主の和真と家族の元には、歌手、編集者、ヤクザたちが新たな問題を抱えてやってくる。季節は夏、和真に恋する美女が現れるなか、ある一枚の似顔絵が家族の秘密と哀しい過去をつまびらかにしていく。愛しいから大切にしたい人生讃歌エンタメ小説、第2弾。
著者等紹介
柴崎竜人[シバザキリュウト]
1976年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。東京三菱銀行退行後、バーテンダー、香水プランナーなどを経て、小説「シャンペイン・キャデラック」で三田文學新人賞を受賞し作家デビュー。映画「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」、ドラマ「レンアイカンソク」など脚本も多数手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
93
久しぶり!と思わず言っちゃう再会感、ホーム感。こんなお店を行きつけにしたい。三軒茶屋の一角。プラネタリウムのあるバー星座館。金髪の店主・和真の超現代版ギリシャ神話が楽しめる素敵なお店。初め戸惑ったポップすぎる語りもいつしか癖になっている。ヘラクレスはモテたいのに硬派気取っちゃうんすよね~なんて。でも大元のギリシャ神話自体この人間臭さが味だもの。ゆるい雰囲気と裏腹に、明かされる和真の過去は重い。それを吐き出したここがきっとゼロ地点。再び前へ進む続刊へ。サンバのリズムを背中に聞きながら秋の再会を楽しみに待つ。2018/08/28
びす男
88
面白くてすんなり読める。アレンジされまくったギリシャ神話が笑いを誘う一方、主人公たち「親子」をとりまくストーリーも読み手を離さない。いまでこそ古めかしく、研究の対象になるようなおカタい神話だが、口承されていた頃はこんなに気軽な感じで楽しまれていたんだろうなぁ。神話はもともと、生きる人のためにある。そこから何を見いだし語るかも、その人の自由なんだと思う。ギリシャ神話の舞台を思い切り現代にしてしまっている主人公の語り口は、そういう意味では神話の使いこなし方をきちんと理解しているように見える。2017/09/14
pukupuku
77
少しずつ和真の過去が明らかになり…月子との関係についても新たな事実が…和真の語るギリシャ神話にも慣れてきて、というか、もうそれ読みたさに読んでるとこもあったりして。なかなかジャンキーだわ。周囲の人達がホントいい。和真には人を惹き付ける魅力、愛され気質があるんだろうね。キャラ的にはどうしても創馬の方が兄って感じてしまうんだけど、そこはあんまり関係ないか。月子との関係に進展が!一言では語れないあれやこれやがこのあと明らかになるんだろうな。シリーズものは、首を長くして待つのもいいけど、一気に読めるのもいいねぇ2018/10/31
papako
66
こちらもシリーズ続けて。新キャラも登場して恋の予感?この巻で重要な登場人物は出揃う。和真の過去が語られ、月子の母親もわかる。物語の土台が完成しました。次の巻から波乱の予感!って実は全部読んでからの感想だから、この巻の平和な雰囲気が微笑ましい。お母さん嫌い。月子の母親への想いが切ない。キグナス!キグナス!嵐の前の静けさ。2022/01/22
aoringo
61
シリーズ2巻目。月子の母と和真の過去の恋が明らかになる。やっぱり泣いてしまった・・。でも悲しい涙ではなく、心が温かくなる涙。一人ではどうにもならないことでもみんなが心一つになれば前に進んでいける。傷はだれでも抱えているものだけれど、支えてくれる人達がいるから乗り越えていこうという勇気が生まれる。素敵な仲間たちに囲まれて和真は幸せ者だな。2019/01/05