巨龍の胎動―毛沢東vs〓(とう)小平

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  • サイズ B6判/ページ数 426p
  • 商品コード 9784062740616
  • NDC分類 222.01
  • Cコード C0322

内容説明

二一世紀世界の天空に羽ばたく超大国中国。日本をしのぎ、アメリカに迫らんとする、眠りから覚めた東アジアの巨龍中国。その全体像を、現代中国を築きあげた二人の最高実力者毛沢東と〓(とう)小平の対照的な国家プランを対比しながら描き出す。

目次

第1章 毛沢東と〓(とう)小平
第2章 エリート革命から人民戦争へ
第3章 揺れる新国家建設
第4章 中国独自の社会主義への挑戦
第5章 プロレタリア文化大革命
第6章 革命と近代化の確執
第7章 改革開放・近代化へ邁進
第8章 大国化する中国の光と影
第9章 二一世紀中国―毛沢東と〓(とう)小平を超えて

著者等紹介

天児慧[アマコサトシ]
1947年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。一橋大学大学院博士課程修了。社会学博士。琉球大学助教授、青山学院大学教授などを歴任。外務省専門調査員として北京の日本大使館勤務などを経て、現在早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。洞察力と先見性に富む現代中国分析、日中関係への提言を発表し、有数のチャイナ・アナリストとして海外のメディアにも論文がしばしば引用・転載されている
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感想・レビュー

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小鈴

21
中国の近代史をよく知らないので読んでみた。第2章エリート革命から人民戦争へ、がやけに納得しましたね。中国は士大夫の革命から始まりましたが、最終的に知識人層ではない毛沢東や鄧小平が農村をまとめて建国するわけですよね。毛沢東は反権威主義者で父親への反発から始まり、ソ連のコミンテルン指導部が大嫌いで当初は指導部では無かった。反権威主義者が権威者になると、敵がいなくなりおかしくなるのはよくわかった。日本の中国進出が共産党を育てましたよね。裕福層が一掃されたわけです。阿片も消えた。2021/07/09

崩紫サロメ

19
毛沢東と鄧小平の時代を中心に中国近現代史を描いているが、毛沢東時代に鄧小平がどのように立ち振る舞い、生き残ったのかに焦点を当てている。毛沢東死後、毛沢東路線を掲げる華国鋒に、毛沢東自身が掲げた「実事求是」によって反論するなど、鄧小平の巧みさがわかる。しかし、結局のところ毛沢東も鄧小平も党内のエリート主義から抜け出せず、本書刊行後の習近平時代には、共産党員はますますエリート色を強め、また経済発展は一党体制への申し立てにはつながっていない。中国の変化の速さを改めて痛感する。2021/02/01

おたま

16
毛沢東と鄧小平という対照的な二人を中心に近・現代中国の歴史を描いている。毛沢東は優れた軍事戦略家であり、革命家だった。抗日戦での戦略推進、その後の勝利は彼と紅軍と多くの農民の勝利だった。革命を成就し、農地解放を推し進め、中国はそれまでの貧困と無知から解放されていく。ただ、「大躍進」政策では多数の死者を出し、「文化大革命」ではほとんど内乱状態のような混乱を招く。革命家が国を安定的に作っていく難しさを感じさせる。そこに登場してくるのが、毛が信頼を寄せていた鄧小平であり、彼を中心に改革開放は進められていった。2021/09/06

三城 俊一/みきしゅんいち

2
現代中国史の二人の巨人、毛沢東とトウ小平に焦点を当てている。有能な軍事戦略家であった毛沢東だが、建国後の内政の手腕は悲惨なものだった。革命への高い理想を持ち、現実が追い付かないことに我慢ならない。「戦時の英雄、平時の暴君」と評することができるだろう。 対するトウ小平は、極めて逆境に強い不屈の人であり、柔軟な合理主義者だった。彼の改革開放路線は中国を豊かにしたが、同時に格差を生み出した。「何のための社会主義革命だったのか」という問いかけをせずにはいられない。他の登場人物も魅力的で興味深く描かれている。2018/10/16

R

2
鄧小平は小さな巨人。ヤクルトでいうところの若松さんだね。2011/08/19

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