出版社内容情報
「私のことステラって呼んでね」初めて会った日、彼女はそう言った。つくり話のような自慢をする都会的なステラに、田舎から東京に出てきたフミコは憧れと嫉妬を抱きつつ、彼女と一緒に暮らし始めるが……。
内容説明
「私のことをステラって呼んでね」進学のために地方から出て、東京で就職した富美子の前に突然現れた女―ステラは、傲慢だけど魅力的で、個性的だった。自分のいちばんの憧れが詰まった彼女に「本物」と認められたことで、富美子は献身的にステラを支え始める。やがて富美子の恋にも似た感情は、嫉妬や不安、そして猛烈な痛みをもたらすことになり…。林真理子の初小説である「星影のステラ」ほか1編を収録。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年、山梨県生まれ。日本大学藝術学部卒。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、95年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で島清恋愛文学賞を受賞。13年刊の新書『野心のすすめ』は独自の人生論が多くの共感を呼びベストセラーに。18年紫綬褒章受章、20年菊池寛賞、22年野間出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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この
2
装丁が新しい割に舞台設定が結構前の小説なのかなと思いつつ読んでいたが、初版発行が昭和64年で改訂初版が最近とのことだった。そして林真理子の初小説。内容は短編二本とどちらも人間のエゴをギュッと濃縮したかのようなものだった。二本目は割と胸糞で読んでて結構苦い思いをさせられた。読み易さもさほどなかったように思えたのは内容由来の物か。ただ人間の奥底に秘めたような感情をありありと描く内容であったというのは面白かったと思う。2024/01/25
のんの
0
「進学のために地方から出て東京で就職した富美子は、傲慢だけど魅力的で、個性的な女ステラと出会う。彼女に「本物」と認められたことで、富美子は献身的にステラを支え始めるが…。表題作に「だいだい色の海」を併録。」2024/04/21
ちえぞぅ
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ミーツザワールド(金原ひとみ)の話と星影のステラが同じことを書いてると言ってたような気がしたので読んでみました。自分(主人公)とは違う世界の人と同居して新しい世界を体験するという点では同じかな。もう一話だいだい色の海はなんだかよくわからなかった。父親にも兄にもコンプレックスを持っている青年の話。2024/03/04
ごま
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新装版なので購入。田辺聖子さんの解説が良き。今でこそ文学界の重鎮感のある林真理子だけど、本書刊行時はまだ「斬新な感覚を持つニュースター(でも本人は田舎出身の愛されキャラな女の子)」って存在だったんだなぁと懐かしくなりました。ステラも葉子(←主人公がステラと知り合った店の店主)も、今の時代ならすごい香ばしいインスタやってそうww2024/02/15