出版社内容情報
二宮尊徳は本当にあのブロンズ像によって勤倹力行の象徴として国定教科書などにも描かれたような人物だったのだろうか.封建社会の重圧にあえぐ農民救済のために,実践家・思想家として行動した尊徳の人間像を描き出す.
内容説明
国定教科書につちかわれた勤倹力行の尊徳精神は現代にもなお生きている。尊徳といえば誰しも薪を背負って読書にはげむブロンズ像を思い浮べるが、尊徳は果して十六歳の少年の姿でとらえた勤倹の象徴だけのものであろうか。封建社会の重圧にあえぐ農民救済のために、実践家・思想家として行動した尊徳の人間像を描き出す。
目次
序章 二宮尊徳をどう受けとめるか
第1章 家と二宮金次郎
第2章 出世・第一歩
第3章 桜町仕法のなかで
第4章 幕府登庸
第5章 人と思想
第6章 後を継ぐ者たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyatatsu
4
二宮尊徳の功績について改めて学ぶ事ができました。しかし現環境の歴史の本がたくさんある中でこんな読みづらい本を読む必要はないと感じました。2019/07/18
n-shun1
1
講義を聞いているように読ませる文。少し引いたところから二宮尊徳を眺め,解説している。他の尊徳本は基本的にべた褒め路線なので,批評的に述べている点で珍しい。そこが,尊徳に対する評価眼を広げてくれる。伝記として簡潔にまとめられており,その死語の弟子の活躍も扱っているのもよい。「慎めや小子,速やかならんことを欲する事なかれ。速やかならんことを欲すれば大事乱れる。勤めよや小子,倦むことなかれ。」積小為大の人だな。2021/02/28