内容説明
「怪談社」シリーズ第7弾。イベントなどでも活躍する彼らがあちこちで蒐集してきた様々な怪異から、厳選された恐怖がここに集う。人助けをした友人に向けられた恐ろしい言葉「温かい心」、放課後のかくれんぼで起きた怪異「かくれんぼ」とその連鎖「バク」、友達の事故を目撃、しかしそこには…「別の子」、度が過ぎる愚痴を言うママ友の正体「あたりまえ」、子どもの頃に書いた不思議な作文が本当に怖い理由「おとうと」、毎日花を供えないと…「事故現場」など、禍々しき39編を収録。怪談師の語りと文字が編み出す怪異に絡めとられよ。
著者等紹介
伊計翼[イケイタスク]
怪談社の書記。怪異体験談の記録と執筆を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
170
私はミステリーが謎解きやトリックに自分が完全に満足できなければ評価が格段にダウンして、急につまらない物になってしまう事を常日頃から残念に思っていましたが、実話怪談であれば、それさえもホンの些細な問題に過ぎなくなる事に気づいて嬉しくなりましたね。その事を立証するかの様な、題名はミステリーっぽいけど、意図は全く異なる一編です。『犯人』Wさんが50年前の小学生の頃の話で、ある地方の大きな村で飼い犬が首輪を残していなくなる事件が頻発し何者かが犬を連れ去る姿が目撃される。Wさんは学校帰りに友達から重要な事実を聞く。2021/01/02
J7(読メ低浮上中)
40
実話系怪談本の著者として、中々に鮮烈なものを書く、伊計翼さんの本と知り手にとった一冊。なるほど、前半は相変わらず、切れ味鋭い怪談を読んでいたのだけど、後半にある『リッチ』シリーズは、“ギャグで書いてるの?”と思ってしまったほど、いきなり砕けた筆致になるのに当惑。『サイキックじいちゃん』もそうだけど、これはあれかな、恐怖の世界とは、過剰な笑いと紙一重、的なテーマを内包してるのかな。全編ふざけてる、ってわけじゃなくゾッとする話も沢山あるから、やっぱり面白い怪談本ではあったのだけど。伊計さんの別の面を見た感じ。2017/05/05
ラルル
23
何が凄いってこれだけ話の展開が面白いのにちゃんと怪談話になっている所。Y田さんやらI藤さんやら伏せ字の意味あるんかい!と読みながらツッコんでいた所にK舞さんとS那さんで吹き出しました。面白さ加速なのにあと3冊で終わりなんて残念過ぎますね。「サイキックおじいちゃん」いいなぁ。でもあんな恥ずかしい掛け声じゃないと発動出来ない能力ってどうなんだろう、使いたくても使えないw あとがきの「残り3冊は真面目に書く」というのが気がかりです、今回のようなテンションを盛り沢山で次も書き続けて欲しいのですが2014/06/13
かおりんご
22
ホラー。相変わらずの軽さ。知ってる話もあったけれど、まずまず楽しめる。リッチな家、行ってみたいなぁ。2020/07/24
パブロ
12
最近、この著者がアンソロジーで書く「場末の呑み屋で繰り広げられる的ぐだぐだ文体」がツボだ。今回はそれを一冊にと期待したんだけど…当てが外れたけど、これはこれでしっかりと怖がらせてくれるし、笑わせてくれるし、ちょっとホロリとさせてくれるので、満足満足。それにしてもホントこの著者、うまくなったよな〜。第1作、第2作なんて「つまらないから、もう読むものか!」と思っていたんだけれど、あれよあれよという間にすっかり引きずり込まれて、もう7作目か…。これからカウントダウンに向けて、もっともっと楽しませてくださいよ!2014/06/26